社労士コラム

ワーク・ライフ・バランスについて(1)   [2012.10.07]

   去る10月1日に22回にわたった「残業時間削減のアプローチ」が終了しました。本日からは、残業時間削減とも密接な関係にある「ワーク・ライフ・バランス」について考えて行きたいと思います。

   私が、この「ワーク・ライフ・バランス」に着目したのは、「もう1つの2007年問題」について知ったときです。それまでは、残業時間の削減は、主に残業代未払いを含めた企業の体力向上と脳・心臓疾患やうつ病に起因する労務問題への対応として考えていました。
  
   しかし、この「もう1つの2007年問題」を知ったときは、残業時間の削減は、この「もう1つの2007年問題」への重要な対応であると思いました。
   つまり、
                      残業時間の削減=「もう1つの2007年問題」の対応策 
と考えられます。 

   本日は、第1回目として、「もう1つの2007年問題」について説明します。

― もう1つの2007年問題 ―
   前段として、「2007年問題」と「2012年問題」について述べます。

1.2007年問題
   いわゆる団塊の世代(戦後のベビーブームである1947年生まれを中心とした世代)が60歳定年を迎える年が2007年なのです。
   つまり、2007年には、一度に多量の技能を持った人員が企業を離れるために業務が滞り、結果として、経済に悪影響が出るのではとの懸念から問題視されたものです。
   実際には、政府、企業共に定年後の再雇用(継続雇用制度)等を進め、結果として、必要な場合には60歳を超えても働ける環境が形成され、2007年問題は深刻なものにはならなかったのです。

2.2012年問題
   2007年問題が深刻にならなかったのは、年金受給年齢(65歳)までに再雇用されるからであり、各人が65歳を過ぎたあたりから離職するために問題が5年先送りにされただけとの解釈があり、5年後の2012年問題が注目されました。
   現状のところ顕在化していないようです。

3.もう1つの2007年問題
   前述の団塊世代が一気に要介護年齢(75歳)に入る2007年から15年後、2022年頃から要介護者が一挙に増加することは明らかです。

   現状でも超高齢社会であり、2009年のデータですが、全国での特別養護老人ホームへの入所待機者は42万人を超えています。(良く問題となる保育所待機児童数は高々3~5万人です。)
   病院に入院している間も大変ですが、退院した場合、このような状況ですから老人ホームに直ぐに入れず、家庭で介護するしかなくなる場合も多いと考えられます。結果的に、介護で仕事を辞めるケースが多くなります。

    彼らを介護するのは、「団塊世代の子供世代」です。 団塊世代は非常に人数が多いですから、現在でさえ少ない介護施設は需要に追いつかず、「団塊世代の子供世代」が家庭で介護をするケースが多くなるといわれています。
    特に、「団塊世代の子供世代」
は兄弟が少なく、特に一人っ子は男性に多いといわれています。
    この世代の男性は未婚率も高いため、介護を分担できるパートナー(兄弟や妻)がいないことが多いのです。

   企業で働いている「団塊世代の子供世代」は、7割が男性です。2022年頃からこれらの男性群が、介護休業の取得や介護のための短時間勤務など、現在の育児のための若い世代の状況と同じか、それを超える状況になると予想されます。

 介護施設が今後爆発的に増えるということは考えにくい中、「育児で休む若い女性」よりも「介護で休む働き盛り男性」の方が多いという時代が来るのです。

   これが「もう1つの2007年問題」です。

   ドラッガーのいう「すでに起こった未来」とも言えます。

  もちろん、これまでの2007年、2012年と同様の杞憂であるかも知れません
   しかし、事業主としては、積極的に活用しないまでも備えるべきと考えます
  特に、この対応は、残業時間の削減のように企業の体力増強などのメッリトも多いですので、「緊急ではないが、重要な事項」と考えます。

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