社労士コラム

ワーク・ライフ・バランスについて(4)   [2012.10.10]

   昨日に引き続き、「ワーク・ライフ・バランス大賞」の組織内活動 優秀賞を受賞した従業員50人以下の企業についてご紹介します。
   本日は、2008年に受賞した株式会社 長岡塗装店の例についてご紹介します。

【組織内活動 優秀賞】 株式会社 長岡塗装店の例

1)会社の概要
   所在地:島根県
   従業員数:22人(内訳:男性17人  女性5人)
   業種:建設業

2)取組みの概要
   ①週平均労働時間を39時間に設定
  
    (H17~ 1年単位の変形労働時間制の導入により)


   ②年次有給休暇の計画的取得の奨励
(年休取得計画表を各従業員に配布)

   ③休日出勤・深夜残業等の疲労蓄積をチェック、代休・振替休日を取得するよう指導

   ④資格取得のための費用補助・男女社員ともに各種研修セミナーへの参加奨励

   ⑤男性の育児休暇取得の奨励(社内報作成)・子が親の働くところを見ることのできる
      子ども
参観日の実施

   ⑥育児短時間勤務制度の導入(個別の事情に応じて各社員と相談 30分~1時間30分)
                                            (利用者8名)

   ⑦出産祝金10万円支給(本人・配偶者とも)(利用者6名)

   ⑧子ども手当(18才までの子ども1人につき1万円/月)支給(利用者8名)

   ⑨子の看護休暇(高校を卒業するまでの子1人につき年5日有休・30分単位で取得可)
                         (利用者2名)

   ⑩保育料の3分の1を補助(利用者5名)

   ⑪介護サービス利用料の3分の1を補助(利用者1名)

   ⑫育児休暇の3日間を有給とし、複数回取得可とする(利用者2名)


3)ワーク・ライフ・バランス推進に取組んだ経緯、理由
   ①10年以上も前から 人材の確保・定着が深刻な課題であった。職人としてひととおり
      仕事ができるようになるには3年、高卒者が1級技能士の受験資格を得るのに7年かかる。
      1998 年高齢者継続雇用制度を導入し、ベテラン社員を確保する一方 技能・経験を受け継
      ぐ若年社員の確保・育成の観点から労働条件を整備するとともに、社員一人ひとりが持つ
      力を十分に発揮してもらい、安心して長く勤めるためには 個々のニーズに沿った働き方
      のできる環境に配慮した両立支援が必要であると気づいた。

   ②会社の健全な経営のためには経営者の目指す目標を従業員が理解し、意欲を持って共に進
      んでいかなければならない。それに必要な信頼関係を築くためにも、仕事だけでなく、個々
      の生活を応援する両立支援を考えることは経営者の仕事であると考えた。

   ③少子高齢化問題は避けようがなく、経験豊富な高齢者やスキルアップ意識の高い中堅女性
     社員の活用という点からも育児・介護だけに特化するのでなく、様々な年齢・立場の社員
     に対しての配慮は 会社のしなやかで強い体制を作る為に不可欠であると感じた

   ④規模の小さい会社であるからこそ実態に応じて、制度の見直しや改善がしやすい のではな
      いかと考えた。

4) 取組みによる具体的効果
   ①若年社員の確保・定着
       【10~30代の社員数 2002 年6名 → 2007 年11名】
       【子育て中(18 歳未満の子どもがいる)社員数2002 年0名 → 2008 年11名】
   
   ②資格者の増加
       【1級2級塗装技能士15名・1級2級建築施工管理士14名・1級土木施工管理士3名】

   ③仕事の質の向上
       【2005 年度施工優良工事表彰(島根県)受賞】

   ④育児休業取得者増加
      【2008 年8月現在 4名取得 女性1名 男性3名】

   ⑤有休休暇の取得率の上昇 全体平均55.15% 男性46.6% 女性80.6%
  
   働きやすい環境・制度を整えたことで若年社員が増え、ベテラン社員自ら技能を教えようという意識が生まれ、検定前の指導も積極的におこなってくれるようになった。

   また、しっかり働きしっかり休むこと、体調に気を付けること、休暇を有効利用することを個々が考えるようになり、メリハリを持って仕事に打ち込んでいるという点で社員の意識が大きく変化したと感じる。

   『我が社の両立支援』についての事例発表・講演(島根県・山口県・愛媛県・沖縄県)や新聞・書籍への記事掲載により企業戦略としても両立支援が必要であることを発表している。マスコミに取りあげてもらうことは社員の意識の向上につながった。

   自分の仕事を遂行するだけでなく、人の立場になって考えることが常となり思いやりやお互い様という気持ちを持ちながら働くことで明るく活き活きとした職場に変わりつつある

感想
   若年社員の確保と定着に加えて、スキルアップに効果があったようです。
   やはり、この会社でも育児・介護だけに特化するのでなく、様々な年齢・立場の社員に対しての配慮がなされており、昨日と同様に、 「おたがいさまの気持ちが生ずることが会社のしなやかで強い体制を作る為に不可欠であるようです。

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