社労士コラム

労働時間の適正把握について   [2012.10.12]

   残業時間削減のアプローチ(13)【労働時間管理の徹底】(2012年9月22日)で述べましたように未払残業(サービス残業)が問題になった場合に関係します。

   例えば、
     *元従業員が、退職後、しばらくしてから在職中の「未払残業代」の請求書が送られて来て、
        払わなければ法的手段に訴えるとの文書が添えられている。
の場合、

   請求の未払残業時間は、本人が手帳に残したメモに基くとのことでしたが、こんなメモ位では証拠にならないとお考えではないでしょうか?
   裁判となった場合には、このようなメモに限らず、パソコンの記録、プリペイド式の乗車カード、携帯メールの着信履歴なども労働者側にとっては証拠となり得るのがこれまでの判例です。

   裁判所の判断では、労働時間の管理は使用者側行うべきであり、実際の労働時間の立証責任は、原告である労働者側としては、上記程度で十分であり、これに反論するには、使用者側は十分に管理され、文書等に残された労働時間の記録で立証しなければなりません。

   つまり、立証責任は、使用者側にあります。

   よって、使用者側の労働時間の管理が不徹底であると元従業員の言うがままの残業時間に基いた請求に応じるしかないのです

   では、使用者側の労働時間の把握・管理はどのようにすれば問題にならないのかですが、これを行政側が示したものが、「 労働時間の適正な把握にために使用者が講ずべき措置に関する基準 」(平13・4・6基発339号)です。

   その概要は、次のようなものです。

1.使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則としては、
    次のいずれかの方法によること。

       ア:使用者が、自ら現認することにより確認し、記録すること。
       イ:タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。

2.自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は、次の措置を講ずること。
       ア:自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を
            正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。

       イ:自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、
           必要に応じて実態調査を実施すること。

       ウ:労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定
           するなどの措置を講じないこと。

3.また、時間外労働削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払いなどの処置が
    時間の適正な申告を阻害する要因になっていないかを確認し、改善する。

4.時間管理の状況を踏まえ、必要に応じ労働時間等設定改善委員会等の労使協議組織を
    活用し、時間管理上の問題点や解消策等の検討を行う。

   この基準自体には、法的な強制力はありませんが、リスク回避の点からは、十分な考慮が必要です。
     


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