社労士コラム

ワーク・ライフ・バランスについて(12)   [2012.10.22]

 ― 管理者の取組みのポイント ―

   ドラッカーは「仕事(Work)」「労働(Working)」を分けて考えていました。
   仕事とは、人が労働することによって得られる結果(アウトプット)と考えたのです。
   同じ労働インプット)をしても仕組みによっては、仕事の生産性は異なります。
  
   このことから仕事は生産的に行われる方が望ましく、人は意欲的に(活き活きと)働けた方が幸せです。
   管理者は、部下が活き活きと働ける環境を作り、なおかつ、成果につながる仕事をさせなければなりません。
  
   つまり、次の2つの両立が管理者に求められています。
1.仕事のマネジメント:同じ労働で、より多くの成果が出る仕組みを作るべく管理する。
2.労働のマネジメント:意欲的に/やる気のある/活き活きとした 職場にするべく管理する。

   この2つのマネジメントのための具体的な取組みは、次のようなものと思っています。但し、互いに関連しており、明確に区別できませんが、主には、この分類に入るとして記述しています。



仕事のマネジメントのために

1) 部下に対する目標の提示
   企業には、トップマネジメントが決定した組織全体の目標があり、この目標に基いて下位の部署はそれぞれに部門、チームの目標が定められています。
   自分の管理する部門、チームの目標を達成するために、それぞれの部下に各人の目標を提示するのです。
   これにより各人が何をどのようなレベルでいつまでに達成すべきか が明確となり、達成のために自分の仕事を自分で管理し、最善をつくす工夫が生まれやすくなります。
   つまり、各人が個々に考えながら働く意識を呼び起こすことができ、より良き成果が生みだせます。

   目標には、業績に直結するもの(売上、コストダウン、業務改善など)もありますが、育成・能力開発に関するもの(配下の育成、自己の能力アップ)があります。
   後者の育成・能力開発に関しては、労働のマネジメントにも関係するかと思います。

   なお、注意が必要なのは、過剰品質に陥るデメリットを防止するためにも品質レベル(どのようなレベルまでが必要なのか)を誤解のないように正確に伝える ことが必要です。
   また、目標が複数に分けられる場合には、優先順位も正確に伝達することが重要です。

2) 育成・能力開発
   現在の目標を達成するために業務を円滑に進めることが最優先順位であることは、間違いありませんが、同時に部下の育成・能力開発も行う必要があります。
   現在の目標達成は、「重要」かつ「最優先」に行う業務であり、育成・能力開発は、「重要」ではあるが「最優先」というよりは「長期的」なものになります。
   しかし、 重要」かつ「最優先」に行う業務重要ではない」が「短期的」な雑事にかまけて、育成・能力開発を怠ると組織が衰退します。
   ある意味、「一将功成りて万骨枯る」の状態です。
   
   たとえば、ある部下が依頼したい仕事を担うには能力が不足するという場合、対処方法は次の2つです。   
      対処法1:部下の能力に見合った仕事を割り振り、はみ出た仕事を自分がカバーする、
                   あるいは他の部下に割り振る方法です。
                  (成長なし、業務円滑遂行に関してのリスクなし)
      対処法2:現有の能力を上回る(背伸びした)仕事を与えることを能力開発の機会と考えて、
                   与え、積極的に能力開発を支援する方法です。

  両者のうち、部下に割り振ろうとする仕事を自分でもできると考える管理職ほど、自分がその仕事をカバーする方法を選択しがちです。
   しかし、能力に見合った仕事しか部下に割り振らないことは、一見、仕事が効率的かつ円滑遂行されるように見えますが、部下の能力伸長の機会を奪うことになります。

   前にも述べましたように育成・能力開発は、次の2つの視点で分類することもできます。 
   1.担当業務の範囲を広げる(職務拡大:職務の水平的拡大
   2.スキル・階層のレベルアップ(職務充実:職務の質の深化

   2項のものは、仕事のマネジメントの分類ですが、1項のものは、仕事のマネジメントでもあり、「おたがいさま」意識のためにも必須であり、労働のマネジメントにもかかっています。

続きの労働のマネジメントに関しては、次回にさせて下さい。  

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