社労士コラム

残業時間削減のアプローチ(6)   [2012.09.15]

   残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第5項目について説明します。

【変形労働時間制】

   労働基準法には、労使協定などの採用により法定労働時間を弾力的に運用することが可能な規定があります。

   これを弾力的労働時間制度と言い、3種類の変形労働時間制フレックスタイム制があります。

変形労働時間制

   使用者が労働時間を弾力的に運用できる制度です。

   変形期間などの一定期間における所定労働時間が法定労働時間の総枠の範囲内であれば、特定の週、日に労働者を法定労働時間を超えて労働させることができます。

   使用者に向けての制度です。

フレックスタイム制

   労働者が労働時間を弾力的に運用する制度です。

   1ヵ月以内の一定期間の総労働時間を定め、その範囲内で労働者が自主的に始業・終業時刻を選択できる制度です。

   労働者に向けての制度です。


   変形労働時間制は、次の3つの種類があります。

     ①1ヵ月単位の変形労働時間制

     ②1年単位の変形労働時間制 

     ③1週間単位の非定型的変形労働時間制

   今日は、①の説明をします。


【1ヵ月単位の変形労働時間制

1.目的
   この制度は、1ヵ月以内の期間において繁閑の差がある業務について、労働時間を弾力的に運用することにより労働時間を短縮する、つまり残業時間の削減等を目的としています。

   例えば、経理業務のように月末に業務量が集中し、残業が発生するような部門には、この時間制を導入することで残業を削減できます

   例えば、月末の所定労働時間を長く設定して、その他の日は短くするのです。

2.採用の要件
   この制度では、次の要件を満たすことにより、労使協定等により予め特定された週又は特定された日において法定労働時間を超えて労働させることができます

①形式: 
   労使協定により、又は就業規則その他これに準ずるもの により定める。

   労使協定による場合は、労働基準監督署長に届けなければならない

②変形期間: 
   1ヵ月以内の期間
    (4週間、20日間、2週間などでも可。)

③労働時間の特定
   変形期間の1週間平均の労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、変形期間における各日、各週の労働時間(所定労働時間)をすべて特定する。

注1:法定労働時間は、基本的に週40時間であるが、特例対象事業(6月11日記事)については、週44時間
注2:予め特定する各日、各週の労働時間に上限なし
注3:法定労働時間を超えない範囲内とするためには次の式での計算の範囲内であれば、OKです。

[法定労働時間の総枠]
          = (週の法定労働時間 40又は44時間)×(変形期間の暦日数)÷

計算例

変形期間 法定時間=40時間 法定時間=44時間
30日 171.4時間 188.5時間
31日 177.1時間 194.8時間
28日 160.0時間 176.0時間



3.労使協定又は就業規則等に定める事項

①変形期間の長さとその起算日

②対象となる労働者の範囲 
   次のものは、適用除外。
     ・満18歳未満の年少者(ただし、満15歳年度末~満18歳未満の年少者は、
       週に48時間、日に8時間を超えない限り適用可)
     ・妊産婦等が請求した場合 

   また、育児を行う者、介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者等については、育児等に必要な時間を確保できるようにする配慮義務があります。

③変形期間における各日・各週の労働時間 
   「始業及び終業の時刻」も定めて、労働者に周知する必要があります。

④労使協定の場合の有効期間
   有効期間は、3年以内が望ましいとされています。

4.時間外労働となる時間

   上の式の法定労働時間の総枠の範囲内で労働させる場合には、基本的に時間外労働の問題はありませんが、次の表の右欄の時間は時間外労働となります。つまり、残業時間となります。

単位 設定条件 時間外労働となる時間
①1日 8時間超えの労働時間と日 定めた時間を超えた時間
①1日 上記以外の日 8時間を超えた時間

②1週間
   (①除く)

40時間超えの労働時間と
した週
定めた時間を超えた時間
②1週間
   (①除く)
上記以外の週 40時間を超えた時間
③変形期間
  (①、②除く)
法定の総枠を超えた時間

 

 

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