社労士コラム

平成24年度版 労働経済白書が発表されました。   [2012.09.15]

    厚生労働省は、9月14日に「平成24年版労働経済の分析」(通称「労働経済白書」)を公表しました。
  「労働経済白書」は、雇用、賃金、労働時間、勤労者家計などの現状や課題について、統計データを活用して経済学的に分析する報告書で、今回で64冊目になります。

   平成24年版は、「分厚い中間層の復活に向けた課題」と題し、自ら働いて人間らしい生活を営むことができる「分厚い中間層」の復活が、日本経済の需要面では所得増、消費増を通じた需要不足の解消に、供給面では経済社会、社会保障を支える基盤強化につながるという観点から分析しています。

   白書は3章構成で、それぞれ次の内容を中心に分析しています。
・第1章「労働経済の推移と特徴」:震災や円高による雇用・労働面への影響
・第2章「貧困・格差の現状と分厚い中間層の復活に向けた課題」:非正規雇用者の増加などが
          消費をはじめとする需要に与える影響
・第3章「就労促進に向けた労働市場の需給面及び質面の課題」:就業率の向上や生産性を高める
          ための能力開発などの課題

まとめ
労働者の所得の増加が消費の増加を通じて日本経済の活性化につながるという日本経済のマ
クロの好循環を取り戻すことが必要であり、そのためには「分厚い中間層」の復活が必要

そのためにも
①誰もが持続的に働ける全員参加型社会の構築により、人口減少、高齢化の
下でも日本の
   経済社会の活力を維持・向上させること
②企業だけでなく社会全体で非正規雇
用者も含めた能力開発を行い、人的資本を蓄積して
   いくこと。
③労働者が安心して安全に働け
る環境整備を行い、「ディーセント・ワーク」を実現していくこと
   が不可欠


概要は以上ですが、ここでは、白書の本文の中で気になる記述を以下に列記します。

1)2011年の有効求人倍率は0.65倍(前年より0.13ポイントの上昇)、完全失業率は4.6%(前年
    より0.5ポイントの低下)となるなど雇用情勢は持ち直しの動きがみられるものの、東日本
    大震災の影響もあり依然として厳しい。

2)今後円高が進行・継続した際、製造業の約20%は何らかの雇用・賃金調整策を実施する
    と回答。

3)2011年の現金給与総額は2年ぶりに減少し、うち所定内給与は6年連続で減少。

現金給与
総額

一般
労働者
パート
タイム
決まって
支給の額
所定内
給与
所定外
給与
特別給与
2006

335,774

417,933 95,232 272,614

252,809

19,805 63,160
    07 330,313 413,342 95,209 269,508 249,755 19,753 60,805

08

331,300 414,449 95,873 270,511 251,068 19,443 60,789
09 315,294 398,101 95,783 262,357 245,687 16,670 52,937
10 317,321 402,730 95,790 263,245 245,038 18,207 54,076
11 316,792 403,563 95,645 262,373 244,001 18,372 54,419

4) 第Ⅲ階級から第Ⅳ階級にかけて消費が落ち込んでおり、特に第Ⅲ階級での落ち込みが大きい。
    1)各階級は世帯を年間収入の低い方から高い方へ順に並べて5等分した5つのグループで、
       
収入の低いグループから第Ⅰ、第Ⅱ、第Ⅲ、第Ⅳ、第Ⅴ階級と呼ぶ。
     2)各階級の年間収入は第Ⅰ階級が350万円未満、第Ⅱ階級が350万円~482万円、
         第Ⅲ階級が482万円~626万
円、第Ⅳ階級が626万円~827万円、
         第Ⅴ階級が827万円以上。

5)今後に対する企業の意識をみると、非正規雇用の増加傾向には変化の兆しがみられる。

6)無貯蓄・少額貯蓄世帯比率は上昇傾向にある。

7)年間収入の分布を1999年と2009年とで比較すると、650万円台以上の割合が低下
   するとともに、600万円台以下の割合が上昇する形で、年収分布が低い層にシフトし
   ている。

8)経済成長と労働参加が適切に進めば、非就業者一人に対する就業者の数は増加の
   見通し。

9)正社員以外に対する教育訓練の実施割合は、正社員に対する割合の半分程度と
    なっている。

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