社労士コラム

残業代をめぐるトラブルの防止策(2)   [2012.08.19]

昨日に取り上げた「残業代を巡るリスク」を軽減させるためには、具体的にどのような対策が有効でしょうか。

本稿では、リスク軽減の具体的方法を「1.業務効率化的アプローチ」
「2.就業規則・給与支払的アプローチ」の二つからご紹介します。


【1.業務効率化的アプローチ】

まずは「業務効率化により残業時間そのものを軽減させる」
視点で可能性を検討しなければなりません。

例えばサービス業であるならば、時間帯ごとの業務量を定量測定し、
繁閑に合わせて労働時間・休憩時間を配置するシフトを組むことができないでしょうか。

あるいは「ノー残業デー」などの強制的な時間短縮も、
業種によっては生産性を落とさずに導入できるかもしれません。

ご存知の方も多いと思いますが、下着メーカー「トリンプ」では、午後12時30分から2時間を「がんばるタイム」と社内外に公言し、その時間帯は電話(緊急のものを除く)に出ずひたすら事務処理をするそうです。

残業そのものを減らす取り組みは、会社の人件費圧縮と従業員の生活充実の両面に寄与する善的アプローチであることを、今一度考えましょう。


【2.就業規則・給与支払的アプローチ】

上記、「業務効率化的アプローチ」の業務効率化による時間短縮効果が短期的に見込めない場合や、営業形態から時間削減が難しい場合は、会社の制度の見直しをするアプローチが検討できます。

現状の給与支払項目の中で、「恒常的な残業の対価ととらえることができる手当」を洗い出し、「残業手当を固定的に支給するもの」と再定義することで、「恒常的残業に対するケアが出来ている状態」に整える取組み等がこれに当たります。


<事例>株式会社Y(リフォーム販売業)の場合

・週40時間労働制
・営業社員Aの給与細目

総支給26万円:基本給20万円、職務手当5万円
通勤手当月額1万円

このうち「職務手当」は、営業社員に対して支給される手当であり、営業社員の恒常的な残業をケアする意味合いがありました。

そこで、就業規則(賃金規程)においてこれを「固定残業手当」と再定義し、同時に社員Aとの間で当該固定残業手当を記載した雇用契約書を再度取り交わしました。

その結果、社員Aさんについて月々5万円の残業手当が合法的に支払われている状態が整ったことになります。

固定残業手当額から逆算すると、以下の式により、34.6時間分の残業手当が支払われていることになります。

基本給20万円 ÷ 173時間(月間所定労働時間)× 1.25 ≒ 1,445円(残業単価)
5万円 ÷ 1,445円 ≒ 34.6時間

このアプローチを行うためには、以下三つが特に重要になります。

1.就業規則等に根拠があるか
2.労働者本人の同意が得られているか
3.給与明細等の上で固定的残業である旨明記されているか


固定残業手当の導入は、事前に当事務所にご相談下さい。

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