社労士コラム

話題の確定拠出年金とは何?   [ 2016.10.07 ]

巷で確定拠出年金が話題になっています。そもそも確定拠出年金とは何か、今後どのような法改正が予定されているかについて説明します。

    

はじめに

巷で「確定拠出年金」という言葉を聞くことが多くなってきました。来年の1月から法改正が行われ、老後資金を積み立てる選択肢の幅が広がることになりますが、そもそも中小企業では確定拠出年金制度そのものに馴染みがなく、メリットが理解されていません。以下、確定拠出年金制度の概要を説明し、今回の法改正内容についても紹介します。

 

基本

確定拠出年金をひとことで表現するならば、「掛けている本人が掛け金額及び運用方法を決めることができる年金」です。掛け金は個人ごとに明確に区分して積み立てられ、本人の運用方法次第で将来の年金給付が増えたり減ったりします。対照的なものは公的年金(国民年金・厚生年金)で、こちらは「掛け金額や運用方法を選べない年金」ですが、そのかわり将来の年金給付の計算方法が決められていることが特徴です。

 

現行の法律では、老後などのための資産形成は①強制加入の公的年金を土台にして、 ②企業又は個人の任意で確定拠出型年金などを上乗せして掛けるという構造になっています。

確定拠出年金のタイプ

確定拠出年金には「企業型」と「個人型」という2つのタイプがあります。企業型の場合、導入は会社が決めるもので、現在は社員が自分の意思で加入することはできません。掛け金は原則として全額会社が負担しますが、一部本人が拠出できる場合もあります。一方で個人型とは、①20歳から60歳までの個人事業主など②会社が企業型年金を導入していない会社の60歳未満の社員などを対象としたものです。

確定拠出年金のメリット

確定拠出年金(特に個人型)の大きなメリットは「税制面の優遇措置」です。掛け金として拠出した金額が「全額」所得控除となり、課税所得が減額されます。言い換えると、確定申告の際に全額が経費扱いになります。民間の生命保険などの保険料は一部しか損金扱いにならないことを考えると税制面でのメリットは大きいでしょう。

また、運用に対する利益に対しても非課税となり、給付を受ける際にも、年金として受ける場合は公的年金等控除が適用され、一時金として受ける場合は、退職所得として税制上の優遇措置が取られています。

 

注目の改正内容

平成29年1月より、特に個人型について以下の改正点が注目されています。

個人型確定拠出年金の加入可能範囲の拡大【施行日:平成29年1月1日】 

これまで個人型確定拠出年金に加入することができなかった以下の者について、個人型への加入ができるようになります。

①確定拠出年金以外の企業年金の加入者

②公務員等の共済加入者

③第3号被保険者(専業主婦等) 

また、すでに企業型確定拠出年金を実施している企業に勤めている場合でも、規約に定めることにより個人型確定拠出年金にも併用加入することが可能となります。その他、異なる制度間での資産の持ち運び制度や、中小企業向けの新制度創設、掛け金の年単位拠出などについても改正され、確定拠出年金の導入ハードルが下がりました。確定拠出年金は、掛け金が本人の積み立てとして確定するため、資産形成の際にわかりやすさがあります。これから社員の福利厚生を検討する場合、税制面でもよい選択肢となるでしょう。

いろいろあっても公的年金がお得な理由   [ 2016.02.15 ]

最近、ネットで見た記事に題に示すようなものがありました。
日頃から思っていたことを分かりやすく説明されていますので、ご紹介します。

記事は、gooニュースに掲載されたものですが、出典は「PRESIDENT」2012年6月18日号掲載とのことで、著者は社会保険労務士の北村庄吾さんです。
以下、引用します。

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「年金なんて払い損なのに、強制的に保険料をとられるのは納得できない」-給与明細を見るたびに憤慨するサラリーマンは少なくないようだ。
平均寿命まで生きたとき、受け取る年金の総額が支払った保険料の総額を下回る」現象が、いわゆる年金の"払い損"。
現在55歳以下の人は払い損」など、さまざまな試算が報道されて、そのたびに話題を呼んでいる。

だが、サラリーマンが加入している厚生年金制度では、自己負担分の保険料と同額を会社が支払っている。
こうした試算で使われている保険料は多くの場合、自己負担分と会社負担分の合計額だ。
自己負担は半分なので、実は計算すれば、平均寿命まで生きれば、現状ではどの年代の人も"払い損"になることはない
さらに、死ぬまで受け取れる終身年金なので、長生きするほど得になる計算だ。

このほか、「アテにならない公的年金の保険料を払うより、自分で老後資金を貯めたほうがいい」という声もある。
だが、厚生年金を含めた公的年金制度には、預貯金や民間の個人年金にはない大きなメリットがある。
その1つが、インフレヘッジ機能を持つことだ。

終身年金のうえインフレ対応機能も
公的年金には物価スライド制があり、年金額は物価や賃金の水準に応じて毎年変動する。
たとえば平成元年の国民年金(基礎年金)は満額(保険料を40年支払った場合)で66万6000円だったが、平成24年4月には満額で78万6500円と、23年間で約12万円上昇している。
平成16年にマクロ経済スライド制が導入されたため、将来的には年金額の上昇率は物価上昇率より抑えられてしまうが、それでもある程度のインフレヘッジ機能を持つことに違いはない

さらに、公的年金は老齢年金だけでなく、遺族年金や障害年金といった万一のときの保障も備えている

特に厚生年金の場合、遺族年金、障害年金ともに国民年金からの基礎年金と厚生年金の2階建てになることもあり、基礎年金しか受け取れない国民年金加入者(自営業者など)より手厚い補償が受けられる。
たとえば遺族厚生年金では、一般的な収入のサラリーマンが亡くなったとき、遺族が妻と18歳未満の子ども1人の場合だと遺族年金の合計額は160万円程度にもなる。
また、国民年金加入者は子どもがいないと遺族基礎年金を受け取れないが、厚生年金なら子どもがいない妻でも遺族厚生年金のほうは受け取れるしくみになっている。

また、障害厚生年金の対象範囲は国民年金の障害基礎年金より広く、うつ病など精神疾患でも認定されれば年金を受け取れ、年金の対象にはならない軽度の障害でも一時金をもらえるしくみもある。

なお、20歳以上の人は公的年金に加入していないと障害年金を受け取れない。
大学生の子がいるなら、20歳になったら国民年金の加入手続きを忘れないことだ。
(磯野コメント:万一を考えると是非、加入していただきたいと思います。)

学生には保険料納付が猶予される学生納付特例制度があり、親が子の保険料を払った場合は全額が所得税の控除対象になる。

さて、これだけの機能を備えた年金商品を民間で開発したらどうなるか?
大手生保会社の人に聞いてみたところ、「保険料は厚生年金の自己負担額の3倍でも足りない」という答えだった。

公的年金は、われわれの老後の生活を支える柱であることは間違いない。
公的年金制度がなくなるときは国が滅びるとき、と言っても過言ではないだろう。
ただ、平成11年、16年の大きな改定を含め、公的年金制度は平成以降、改悪を繰り返している。
支給開始年齢の引き上げ問題についても、まだ議論が続いているのが現状だ。

公的年金の問題は国民の誰にとっても人ごとでない。
そのことを念頭に置いて、自らウオッチし、これ以上の改悪を許さない姿勢が必要だろう。
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以上、公的年金の掛け金を払うことがお得な理由でした。

始末書のポイント   [ 2016.01.10 ]

社員がミスをして会社に何らかの損害を与えた場合、ペナルティー(懲戒)の一環として始末書を提出させることがあります。

この始末書の意義と、作成のポイントについて考えてみましょう。

始末書の意義

始末書は、本人に自らの態度を振り返り「勤務態度を改善して欲しい」がために書いてもらうものですが、「正当な懲戒処分であるという証拠」という意味も持ちます。

遅刻や欠勤など度重なる事実があったとしても、それがどの程度あったのか?本人はどのように反省しているのか?会社としては改善のために手を尽しているのか?そうした客観的な証拠、記録をする点で意義があります。

作成のポイント

前述の意義から考えると、作成を促す際には以下のポイントに注意しましょう。

・ミスの具体的事実が書かれてあること(5W1H=誰が、いつ、どこで、何を、どんなふうに、なぜ起きたかが明らかになっていること)

改善策、再発防止のアイデアが具体的に書かれていること(例えば遅刻が多いというミスの場合、通勤電車の乗車時間を15分早めるなど)

・再発防止のアイデアについて、直属の上司のアドバイスを受けること(再発防止の方法について、上司とも話し合ったという状態を作り、改善に巻き込む

始末書の保管方法

始末書は人事関連の書類、特に当人の履歴書や労働者名簿などの属人情報と一緒に、あるいは人事考課関係の書類と一緒に保管しておくとよいでしょう。

始末書はあくまでも同じミスを繰り返させないために書かせるものですから、会社はその意義をしっかり伝えていくことが肝心です。

介護休業93日の意味を考える   [ 2014.02.14 ]

「育児・介護休業法」においては、同一の対象家族1人につき、要介護状態ごとに1回、通算して93日を限度として、介護休業を申出ることができます。

同じ法律の育児休業原則1年間の休業期間に比べて、介護休業の休業期間が短いように思われますが、これには、次の理由があります。

1.育児休業と違って、自分で介護に専念するための制度として設定されていません。                  

   一般に、介護が必要な期間は平均5年程度といわれています。このため、93日ではとても足りません。

2.では93日間は何のための期間かですが、介護サービスを探したり、その手続きをしたり、家族で役割

    分担したり、休んだ後も介護と仕事を両立できるよう、集中的に体制を整える期間という位置づけです

 

この93日の期間に、そうした体制を整えずに、自分で介護することだけに時間を費やしてしまうと、休み明けの94日目から誰が介護するのかということになってしまって、結局、仕事を辞めざるをえなくなってしまいますので、介護休業を取られる従業員さんへのアドバイスが必要です。

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