社労士コラム

残業時間削減のアプローチ(21)   [ 2012.09.30 ]

   残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第20項目について説明します。

【業務の効率化】
   
   まず、第一に

   「残業は、臨時か緊急の場合だけに行う。」

という残業の原則を改めて思い起こして頂きたいのです。

   これまでと同じ業務量(売上)を業務改善などで残業なしでできれば、当然ながら利益が増加します。残業代を払う代わりに、この利益の増加の従業員への還元は、賞与や昇給で行えば良いと思います。
   これまでは、何となくしていた残業を無くすることができれば、次のようなメリットが得られるのです。
   (1)定時で終わらせるように「計画的な仕事を行う習慣付け」ができます。
        (この習慣付けには、指導・教育が必要な場合もあります。)
   (2)心身が「リフレッシュ」できる。
   (3)「生産性が向上」する。

   でも、本当に大きなメリットは、次のものだろうと思います。

1.長時間労働に起因する過労死にまつわるリスクからの解放

2.これまでは、出産・育児の理由で一時的に戦力外となるのは一部の若い(女性)の従業員でしたが、
    これからは高齢化社会の進展による介護の問題が大きくなり、働き盛りの中年以降の従業員が
    一時的に戦力外となる場合も確実に増加すると思います。
    この場合でも支障なく企業が運営できる体制(ワークライフバランス体制)が作られます
   
   特に、この2.の問題は、個人的には、これからの企業にとって重要な課題であると思っております。
   私自身、現在、検討中であり、いずれ詳しくご説明したいと思っています。

   第二は
   残業時間を削減するには、これまで何回かに分けて説明して来ました変形労働時間制の活用などがありますが、この根本にある次の事項の再確認になります。主に管理職のものです。
 (1) 予め月、週、日の段取りを良く考え、計画的に仕事を進める
 (2) 業務の効率化、スピードアップに各自が努める。
 (3) 常に勤務時間の大切さを意識する。
 (4) 仕事の優先度、重要度を十分に考えて判断する。
       (「業務をやれ」の指示ばかりではなく、「業務を止めろ」、「後回ししろ」の指示も行う。
        
業務遂行ばかりの指示を行う管理者は、売上ばかりにこだわるダメ管理者。大事な利益に
         目を向けていない。)

   第三は

   「仕事の属人化」の回避です。

   これは、仕事が個人についてしまうことです
   つまり、ある仕事はAさんだけができる場合、Aさんが例えば、病気で急に長期の休暇をすると属人化された仕事を誰もできずに処理が止まってしまうことです。または、何とか聞きながらやったとしても能率が悪いことは明らかであり、多大の時間がかかり、結局、何人かが多くの残上時間を計上することになることです。

   このような「仕事の属人化」を回避する手立てを是非取って頂きたいのです
   回避の打ち手は、次の二つです。
1)複数担当制の推進
   少人数の企業(部署)では、難しいと思われるかも知れません。しかし、複数の人が担当することの最大のメリットは、Aさんが病気等(今後は、介護等が多くなると考えています)で抜けても業務が止まらないことです。
   この効果ばかりでなく、意外と見落とされがちなメリットが業務の見直しにつながるメリットです。
   複数の人で業務の流れ等をチェックするので、一人に比べて、視野が広くなります。「ここは、もっとこうすれば能率的では?」といった改善が出やすくなります。⇒業務改善につながります。
2)マニュアル化の推進
   大変面倒な作業です。
   しかし、やらなければ、もっと面倒な状況に陥るので、工夫して進めるべきと思います。(読んだ例では、思い切って土曜日に出勤して集中的にやられたものもあります。)
   ただし、一旦マニュアルを作って終わりではいけません。
   定期的に見直して初めて価値がでます。見直すことで、継続的な改善効果が得られるのです。

   さて、本題の「業務の効率化」ですが、次の5つのムダを無くする視点が重要です。
1)探すムダ:資料、データの探索時間のムダ
2)移動のムダ:出張などの移動時間のムダ
3)情報伝達のムダ:メールの受発信、確認のムダ
4)仕事の仕組みのムダ:会議、資料作成、承認ルート等のムダ
5)ミスのムダ:手直し、フォローのムダ

   これに関しては、次回に説明します。

平成24年 民間主要企業夏季一時金妥結状況   [ 2012.09.29 ]

    昨日、厚生労働省が発表した標記の状況は、次の通りでした。
   ~妥結額は726,345円で、前年に比べ20,842円(2.79%)の減~

 厚生労働省は、労使交渉の実情を把握するため、民間主要企業(資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上)の夏季一時金妥結状況を毎年、集計しています。
 昨日(平成24年9月28日)に平成24年の集計結果が発表されました。
  以下のとおりです。御参考までにお知らせします。

【集計対象】
   
資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、
妥結額を把握できた391社。

【集計結果】
  
○ 平均妥結額は726,345円で、前年に比べ20,842円(2.79%)の減。3年ぶりに妥結額が前年比減。
 ○ 平均要求額は、把握できた282社でみると787,018円で、前年に比べ2,665円の増。

   なお、厚生労働省の発表には、昭和45からの妥結状況の推移が参考として添付されていました。
(下記のURLをクリック) 
    http://sr-isono.com/files/itijikinn%20daketujyoukyou.pdf

   これを見るとリーマンショックの影響で平成21年の夏季一時金の妥結額は前年比15.6減(842,270
⇒710,844)でしたが、それ以降平成22、23年度と微増でした。
   平成24年度は平成21年度以来の減です。
   リーマンショック前のレベル(84万円台)に戻るには、道険しの感があります。

残業時間削減のアプローチ(20)   [ 2012.09.29 ]

残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第19項目について説明します。

【事前申告制の運用】
   事前申告制により残業時間の管理を行うことは、残業時間の削減に予想以上の効果が期待できます。
   また、このような管理を行うことによって、残業時間の削減の他にも業務処理上の課題や打ち手がクリアになるといった効果もあります。
   ただし、このような効果が得られるか否かは、管理職の意識次第になります。 
   各社員の残業が適正なものかどうかを判断し、指導することは管理職の役目であるとの自覚が必要なのです。

    このような自覚が十分でない場合は、研修等が必要です。

   例えば、私自身は、個人的には「ワークライフバランス」の導入が近い将来、必須となると思っていますが、このような状況において、「定時で帰る部下よりも遅くまで残って残業している部下の方がやる気があって、仕事に前向きに取り組んでいるのだ。」との認識を持っている管理職はもってのほかです。

   このような管理職は、会社にとって極めて危険なことです。
   (一つは、だらだら残業などの本来、定時内で終わる業務を残業でこなす状況を見逃してしまい、
     結果として企業のコスト力を低下させます。もっと怖いことは、部下の長時間残業を黙認し、うつ病、
    過労 死などの労務トラブルを発生させてしまうことです。)

   申告書を提出させ、チェックするのは直属の上司である管理職です。管理職は、申告された残業が
本当に必要なものか見極める必要があります。
   さらに言えば、このような残業が業務のやり方、管理、教育などで削減できないかを考えなくてはなりません
   *本当に残業してまでも本日中に終わらなければ業務なのか?
      明日ではだめなのか?「明日できることは、明日にしよう!」ではだめなのか?
   *所定労働時間内に仕事に専念して効率的に業務を行っているか?
      (問題があれば、指導、教育が必要です。)
   *準備不足や仕事の理解不足により能率が悪くなっていないか?
      (問題があれば、急がば回れで教育が必要です。下記のマニュアル化も必要かも知れません。)
   *定例業務であれば、事前にチェックリスト作成、マニュアル化などを行い、定期的に見直して、
      能率的なものにレベルアップしていく。
   *特定の人物に仕事が集中していないか?特定の人物のみができる業務がないか?
     (このようなことは、危険で事故等で長期欠勤するとカバーするために極めて多くの残業時間が
       発生するなど大変なことになります。)

残業時間削減のアプローチ(19)   [ 2012.09.28 ]

   残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第18項目について説明します。

【定額残業代制】
   ここでは、「定額残業代制の活用」と言う面からではなく「定額残業代制」を利用されている事業主の方への注意をお話しします。
   この制度は、営業職の方に適用されることが多いのですが、
「事務職には、残業代をきちんと支払っているが、営業職には成績を上げれば賞与で大きく報いているので、残業代は支払っていない」、
「営業職の従業員には、営業手当を支払っているので、残業代は支払わなくとも問題がない」、
「営業職には、残業代に相当する営業手当を支払っており、多忙な月には実際の残業が営業手当でカバーすることも超えることもあるが、その他の月では多目に払っており、相殺して問題ない。」
といわれることがあります。 

   「定額残業代制」とは、文字通り毎月、残業代相当分を一定金額の定額で支給する制度です。

   判例では、次のようになっています。

   「労働基準法所定の額以上の割増賃金の支払いがなされる限り、その趣旨は満たされ所定の計算方法を用いることまでは要しないので、その支払い額が法所定の計算方法による割増賃金額を上回る以上、割増賃金として一定額を支払うことも許される」としており、定額残業支給を認めています。

   ただし、「現実の労働時間によって計算した割増賃金額が右一定額を上回っている場合には、労働者は使用者に対してその差額の支払いを請求することができる」としています。

   つまり、定額残業代制を行う場合、

   月当たりの残業時間が定額残業代に相当する残業時間を超えた場合は、
   割増賃金の支払いを別途行わなければならないこと注意が必要です。

   前月の残業時間が少なかったからといって、それとの清算で割増貸金を支払わない、または、少なく支払うという取り扱いは違法です

   これは、労働基準法の「賃金は、その全額を毎月、支払わなければならない」という条文への抵触となります。
  当然ですが、前月に限らず、翌月での賃金相殺などという考え方も違法です。
   また、就業規則の賃金規定には、「定額残業代」等として「残業時間00時間分として定額残業代を支払う」と明記してください。

   営業手当を、定額残業代の性格として支給する場合も営業手当の定義の中で「営業手当は、00時間分の時間外手当として支給する」などと定額残業代であることを明文化しておくことが必要です。

   賃金台帳および毎月の給与明細の記述も就業規則等との整合性を考えて作成することが必要となります

残業時間削減のアプローチ(18)   [ 2012.09.27 ]

残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第17項目について説明します。

【有給休暇の計画的付与の活用】


1.休日と休暇の違い
   この2つの差を認識することが重要です。

   「休日」:労働契約上、あらかじめ労働義務の無い日をいいます。 
   「休暇」:労働義務のある日に、一定の手続き(労働者からの請求により、労働義務が免除される
             ことになる日
をいいます。 
             (例えば、年次有給休暇、慶弔休暇等)

   結果として、労働義務がなくなるのは同じですが、年間の所定労働時間に違いが生じます。


2.休日と休暇の割増賃金の単価

   休日が増えると割増賃金の時間単価が上がる(所定労働時間が減るため)
   休暇が増えると割増賃金の単価変化なし(所定労働時間に変化がないため) 

(条件A)

   例えば、、労働基準法では1日8時間、1週40時間が法定労働時間ですので、週に2日休日があれば、
労働基準法を守っていることになります。
   週2日の休日で年間休日は約105日になります。 

   この条件(A)では、365日-105日=260日     
   260日×8時間=2,080時間が年間労働時間数です。

(条件B)
   一方、土日及び祝日、年末年始、ゴールデンウイーク、盆を休日にすると年間休日は125日になります。 
   この条件(B)では、365日-125日=240日 
   240日×8時間=1,920時間が年間労働時間数です。

月平均労働時間は、
(条件A) 2080時間÷12月=173時間
(条件B) 1920時間÷12月=160時間

月給25万円の人が、月20時間残業した場合

(条件A)25万円÷173時間×1.25×20時間=36,127円
                         年間残業代433,526円

(条件B)25万円÷160時間×1.25×20時間=39,063円
                         年間残業代 468,750円

休日数が多いというだけで、年間約3.5万円多く残業代を支払うことになるのです。


3.年次有給休暇の計画的付与 

   休みをあげたいという気持ちだけならば、休日を増やすのではなく祝日などに有給休暇を取得できる仕組みにしてください。
   たとえば、ゴールデンウイーク2日や夏季休暇3日、計5日を有給消化と会社が指定することも可能です。
   これを、年次有給休暇の計画的付与制度といいます。

  これは、会社が有給休暇日を指定できる制度ですが、やはり一定のルールがあります。
   年次有給休暇のうち5日は社員が自由に取得できる日数として残しておかなければなりません。

   少しでも割増賃金の時間単価を下げるために、土日休みの完全週休二日制を採用している会社が、
今まで「休日」にしていた「祝日」「年 末年別「お盆」を、全社一斉休みの内容は変えずに形だけ
「休暇」にする ことは、残念ながらできません。
   なぜなら、名称よりも実態を優先して、 手続きを経ないで全従業員が休んでいる場合は、「休日」とみなされるからです

   そこで、個々の労働者からの請求行為が不要な、年次有給休暇の計画的付与が有効になってきます。
   たとえば、本来「休日」扱いであった「祝日」 「お盆」「年末年始」休みを、計画的付与で「有給休暇」にしてしまうので す(全ては難しいでしょうが)。

4.年次有給休暇の計画的付与に必要な手続き

次の2つです。
1)就業規則への記載
2)労使協定の締結

導入方法

次のように実態に応じて導入できます。
1)会社全体に一斉付与
2)部署ごと、班別などの交替制での付与
3)計画表などによる個人別付与


5.年次有給休暇の計画的付与の効果
   そうすれば、所定労働時間は日数分増えるので、割増賃金の時間単価を下げることができる のです。
   これには、もう一つの効果があります。
   それは、退職時に残りの有給休暇を全て消化されてしまい、引き継ぎができなかったというようなリスク回避の効果もあります。

残業時間削減のアプローチ(17)   [ 2012.09.26 ]

   残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第16項目について説明します。

【休日の活用】

   まず、休日に着目した残業時間の削減を考える前に、休日に働かせた場合の割増賃金について確認してください。
   ひょっとして、基本的なところに誤解があり、間違った割増賃金を払っていることもありますので・・・。

1.休日とは
   労働基準法では、休日の付与を次のように定めています。

労働基準法 第35条
1項
:使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない。
2項:前項の規定は、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者には適用しない。

   ここで、休日:労働者が労働契約において「労働義務を負わない日」であり、また、休日は、暦日(午前0時から午後12時)によることが原則です。 
   更に留意して頂きたいのは、この条文では、休日を特定すべきことを要求しておらず休日が日曜日である必要はない のです。
   また、休憩のように一斉付与も必要ない のです。ここが確認して頂きたい一つのキーポイント①です。


2.法定休日と所定休日の違い
   二つ目の確認して頂きたいキーポイント②が「この両者の差異」です。

   1項のように労働基準法で定められたものが、「法定休日」です。
   一方、この法定休日の他に会社の就業規則等によって定められた休日を「所定休日」と言います。
   週休2日制を行っておられる会社の土曜日の休みは所定休日となります。

   このことをしっかり確認しておくことは、割増賃金の割増率の付与を間違わないことにつながり、
   余分な割増賃金の支払いが防止できます。

   さて、御存じのように時間外労働に対する割増率は次の表のようになっています。

条件 時間外
(~60時間)
時間外
(60時間超え)
休日
(法定)
深夜
割増率 2割5分以上 5割以上 3割5分以上 2割5分以上
   注)60時間超えの5割以上の割増率は、当分の間中小企業には適用されません。

   例えば、日曜日を法定休日と定めている場合、この日曜日に出勤させたら、例え1週間の他の曜日が休みであっても法定休日、つまり日曜日に出勤しているため 3割5分の割増率で時間外賃金を払う必要があります。
   これは、逆に考えれば「あえて法定休日を定め無い方が良いのです。」⇒毎週1回の休日を確保すれば良いのです。
   特に、定めていない場合には、1週間に1日休むことができれば、その日が法定休日です
  また、法定休日が日曜日の場合、週休2日制の土曜日は法定休日ではありませんので、
休日(法定)とはなりません


  土曜日の出勤時間も含めて、この1週間の労働時間を集計して40時間を超えていなければ、割増賃金を払う必要はありません

  もし、40時間を超えていた場合には、超えた時間分だけ通常の2割5分の割増率で割増賃金を払えば良いのです

それから3つ目の確認して頂きたいキーポイント③ですが、

   この休日出勤の勤務が8時間を超えた場合、休日の割増率(3割5分)に時間外労働の割増率(2割5分)を加えて、6割以上の割増率が必要と勘違いされる方がおられますが、深夜に及ばない限りは、3割5分以上で良いのです


3.振替休日の活用 
   予め法定休日である日曜日に出勤しなければならないことが分かっている場休日の振替」を活用することができます。
   ただし、これを活用するためには、次の条件が必要です。

1)就業規則等において、「休日の振替」ができる旨の規定があること。
2)休日を振り替える前に予め(事前に)振り替えるべき日が特定されていること。
   この場合、日曜日に出勤しても、振り替えた日が休みとなりますので、休日割増は不要です。


4.代休の活用
   突発的な事由により事前に休日を振り替えることができない場合にこの「代休の付与」を活用する
ことができます。
   例えば、急に土曜日に出勤させた場合、所定労働時間=8時間 時間単価=1,000円では、
   1,000円×1.25=1,250円
土曜日の1時間あたりに支払う必要がありますが

   次の水曜日等に代休を与えた場合、土曜日の8時間の勤務までは、時間単価1,250円を払う必要がありません

8時間以内の労働については、
1,000円×0.25=250円
割増分だけを払えばよくなります

 

女性従業員に赤ちゃんができた(妊娠した)場合   [ 2012.09.26 ]

    厚生労働省は一昨日の月曜日に、「次世代育成支援対策推進法」(以下「次世代法」)に基づく
「子育てサポート企業(くるみんマーク取得企業)」の認定企業が 1,301社に達したと公表しま
した。(平成24年7月末現在。なお、平成23年7月末時点では1,121社 )

   この発表の参考資料として、厚生労働省のHP内の「両立支援の広場」へのリンクがあり、そのリンク
には、女性従業員に赤ちゃんができた(妊娠した)場合に事業主としてどうすれば良いかが要領良く
まとめてありましたので、以下に転記します。

女性従業員に赤ちゃんができた(妊娠した)場合
  
妊娠したらどんな制度を利用できるのか、普段から情報提供しておき、申出があったら、個別に説明
しましょ
う。まずは、「おめでとうございます」と言うことから始めましょう

産前休業までの間に事業主が講ずべき義務は?
保健指導又は健康診査のための時間の確保
   事業主は、女性従業員が妊産婦のための保健指導又は健康診査を受診するために必要な時間を
確保することができるようにしなければなりません。
妊娠中の通勤緩和
   交通機関の混雑による苦痛はつわりの悪化や流・早産等につながるおそれがあります。医師等
から通勤緩和の指導を受けた旨妊娠中の女性従業員から申出があった場合には、事業主は、その女性
従業員がラッシュアワーの混雑を避けて通勤することができるように通勤緩和の措置を講じなければ
なりません。
★ 妊娠中の休憩に関する措置
   医師等から休憩に関する措置について指導を受けた旨妊娠中の女性従業員から申出があった場合
には、事業主はその女性従業員が適宜の休養や補食ができるよう、休憩時間を長くする、回数を増や
す等休憩に関して必要な措置を講じなければなりません。
★ 医師等からの指導事項を守ることができるようにするための措置
   妊娠中又は出産後の女性従業員が、健康診査等の結果、医師等からその症状等について指導を
受け、それを事業主に申し出た場合には、事業主は医師等の指導に基づき、その女性従業員が指導
事項を守ることができるようにするため、作業の制限、勤務時間の短縮、休業等の措置を講じなけれ
ばなりません。
★ 母性健康管理指導事項連絡カードの利用
   「母性健康管理指導事項連絡カード」とは、事業主が、妊娠中及び出産後の女性従業員に対して、
母性健康管理の措置を適切に講じるために、主治医等による指導事項の内容が的確に伝達され、
講ずるべき措置の内容が明確にされるために、記載様式を定めたものです。女性従業員からこの
カードが提出された場合、事業主は記載内容に応じた適切な措置を講じる必要があります。
軽易業務への転換
   妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。
★ 危険有害業務の就業制限
   妊産婦等を妊娠、出産、哺育等に有害な業務に就かせることはできません。
★ 時間外、休日労働、深夜業の制限、変形労働時間制の適用制限
   妊産婦が請求した場合、これらを行わせることはできません。 なお、深夜業とは、午後10時から
午前5時までの間の就業のことをいいます。変形労働時間制がとられる場合にも、妊産婦が請求した
場合には、1日及び1週間の法定労働時間を超えて労働させることはできません。

産前・産後休業の期間や取得方法は?
★ 産前休業の期間
   出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から請求すれば取得できます。請求があった
場合は、休業させなくてはなりません。
★ 産後休業の期間
   出産の翌日から8週間は、就業させることができません。ただし、産後6週間を経過後に、本人が請
求し、医師が認めた場合は就業させることができます。
(ご注意ください!)契約内容により育児休業が取得できない方であっても、全ての女性は産前産
後休業を取得することができます。
   お休みに入る前に、産前・産後休業中や育児休業中の取扱いや、休業後利用できる制度等について
説明しましょう。
婚姻、妊娠、出産等を理由として、解雇等の不利益な取扱いをしてはいけません。

平成24年10月に行われる厚生労働省関係の主な制度変更について   [ 2012.09.25 ]

   平成24年10月に実施される厚生労働省関係の主な制度変更のうち、特に事業主の皆様に関係ある事項についてお知らせ致します。主なものは、これまでにコラムにてお伝えしておりますが、念のために・・・。

雇用・労働関係

項目名 内容 実施時期 主な対象者
労働者
派遣法
の改正
○日雇派遣の原則禁止
○グループ企業派遣の制限(8割以下へ)
○離職後1年以内の人を元の勤務先に派遣することの禁止
○マージン率などの情報提供の義務化
○待遇に関する事項などの説明が義務化
○派遣先の社員との均衡に向けた配慮が義務化
○派遣労働者への派遣料金の明示が義務化
○無期雇用への転換推進措置が努力義務化
10月1日 派遣労働者、派
遣元事業主、派
遣先となる事業主
 最低賃金の
 引
上げ
○都道府県ごとに定められている地域別最低賃金額が改定
  され、平
成24年9月30日から順次発効している。
○すべての都道府県で、時間額5円から14円の引上げとなる
 (全国
加重平均額749円)。
9月30日以降、各
都道府県で順次
発効
すべての労働者
とその使用者


年金関係

項 目 名 内容 実施時期 主な対象者
厚生年金
保険料率の
引上げ
○厚生年金保険料率は9月分(10月分給与の源泉
  徴収)から0.354%引上げ(~8月分16.412%、
  9月分~16.766%
9月~(9月分の保
険料は、10月分給
与の源泉徴収か
ら適用される。)
厚生年金
保険の
被保険者、
事業主等
国民年金
保険料の
納付可能
期間延長
○国民年金保険料は納期限より2年を経過した場合、
  時効によって納付することができなくなるが、過去
 10年間の納め忘れた保険料について平成24年
 10月1日から平成27年9月30日までの間に限り、
  厚生労働大臣の承認を受けたうえで、時効により
  納付できなかった期間の保険料を納付することが
  可能となった。
平成24年10月1日
~平成27年9月30
日(申込受付けは
平成24年8月1日
から)
老齢基礎
年金の
受給権を
有してお
らず、
過去10年
以内に未納
期間を
有する方

残業時間削減のアプローチ(16)   [ 2012.09.25 ]

   残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第15項目について説明します。

 

 【休憩時間の有効活用】

   ある社員は、お得意先に商品を納入するのが仕事です。
   しかし、たまにお客様の都合で、受け入れ準備ができていなく、1時間ほど待たされる場合もあります。
   また、車で移動しますので、約束の時間よりも早く到着したりする場合には、待ち時間が発生してしま
います。

   別の例として、工事会社の場合です。
   午前中の工事が終わり、午後の現場に行くのに、エ事時間まで相当時間がある場合。お昼休憩後、
現場近くについてから約束の時間まであと1時間少しあるのです。
   そんなとき、近くのファミリーレストラ ンで担当者全員でお茶をして時間をつぶすしかありません

  このように所定労働時間の途中に仕事をしていないのに、拘束される時間が発生するという職務も
あります。

このような実際に仕事や作業をしていない時間も労働時間としてカウントされることになります。

拘束された時間を休憩時間とすることはできないのでしょうか?
休憩時間は、もちろん労働時間ではありません。

労働時間とは、
労働者が使用者に労務を提供し、その指揮命令に現実に服している時間」をいいます。

使用者の指揮命令下で労働して いる時間が労働時間なのです。
ということは、さきほどの手待ち時間に対して、使用者の指揮命令がない状態にしてしまうことが
できれば、休憩と認められ、労働時間 とみなされないようにすることも可能だと考えます


 手待ち時間ができたときは、その場で待機させたりせず、自由に休憩して良いというルールを
作っておく。

  もちろん手待ち時間に業務指示をしないことが大前提です。
  社員にも休憩時問であることを認識しておいてもらうことが大切です。

  そして、その事実を記録しておくことも会社にとっては重要なポイントになります。

   例えば、勤務管理表に、「休憩時間」 という枠を設けて、記載させることを推奨します。

 さらに、飲食店のように、拘束時間が長い仕事の場合、勤務時間の間に適宜休憩時問をとるようにすることで、労働時間を削減することが可能になります。

 たとえば、仕込みのため10時に出勤し20時まで勤務する場合、お昼がランチタイム終了後の14時から
15時までの1時間休憩のみだと 実労働時間が9時間となります。
   しかし、実際にはお昼の前と夕方、 店を開けるまえにみんなでお茶したり、雑談したりする時間が
通常はあるというような職場であれば、午前中1回、午後1回それぞれ15 分間休憩を取ることにして
就業規則に記載しておけば、休憩時問が トータル1時間30分となり、実労働時間は8.5時間になります。

 もちろん、実際にきちんと休憩をとれるようにしなければなりませんので、その点は十分ご注意
ください

残業時間削減のアプローチ(15)   [ 2012.09.24 ]

   残業時間削減のアプローチ、全21項目の内、第14項目について説明します。

【労働時間の繰上げ、繰下げ】

   例えば、次のような会社を考えます。

   1)始業9時、終業18時、休憩はお昼1時間ですから実労働時間は1日8時間。 
   2)事務部門のある本社、販売店、そして施工部門があります。 
   3)施工部門は、お客さまの都合に合わせてエ事に入りますので、夕方のエ事や土曜の工事など
      があり、どうしても残業が発生します。
   4)逆に、お客さまの都合で、日によっては、夕方まで工事がなく、事務処理をこなしても時間を
     持て余す社員がいます。 

   このような会社の残業時間削減は、 「施工部門だけ勤務時間を変動する。」ことにすれば
良いのです。 
   所定労働時間は毎日同じ決まった時間にしなければならないことはないのです

   ただし、就業規則に「始業9時、終業18時。ただし、業務の都合により始業、終業時刻を繰り
上げ、繰り下げることがある。」と記載してあることが必要ですが。
   このような記載があれば、たとえば、翌日は昼からの作業だと分っていれば、前日までに管理者が、
「明日の始業時間は、11時。」と業務指示を行えば、その日の所定労働時間は、11時から20時に
変更できるのです。
   通常どおり、朝9時から出勤させていると、9時から11時の間もも労働時間となり、18時以降は
残業時閲となってしまいます。
   仕事の予定に合わせて、始業時間を11時にすることで、所定労働時間が20時までとなり、大幅に
残業時聞を削減できます。

   この会社のように、工事部門などは、単純に始業、終業時刻を繰り下げることで残業時問を
減らすことができます


   会社を立ち上げたときに、このような時間設定をしていれば、何の問題もないのですが、
いままで、朝、晩、または土日の勤務に残業代や、休日手当を払っている会社は、いまさら残業
代が出ないよといっても、なかなか社員に納得してもらえないことも多いと思います。

  土日に工事が多いなら、もともと土日休みの設定にするべきではないのです。 週2日休みとだけ
しておけば良かったのです。 
   本社は土日休みのまま、工事部門だけを変えることも別に問題ではないのです。
   景気の良いときは、残業代を払っても会社の経営上そんなに影響が無かったのかもしれませんが、
現在のような経営環境では厳しいものがあります。

   このあたりも社員の皆さんと良く話し合って、新しい取り扱いを認めてもらえるようにしたい
ものです


  もちろん、工事部門をこのようにした場合、日々の出退勤および労働時間(始業および終業時間)
管理がより重要となります。
   したがって、個々の労働者ごとの文面による管理はもちろんのこと、管理者の休みや繰下げ、
繰上げの業務指示も文面で残すこと等が必要です。

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