社労士コラム

高額療養費制度について   [ 2013.01.26 ]

入院などで医療費が高額になった場合健康保険制度から給付があります。

【高額療養費制度とは】
重い病気などで病院等に長期入院したり、治療が長引く場合には、医療費の自己負担額が高額となります。そのため家計の負担を軽減できるように、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される高額療養費制度があります。

【自己負担限度額】
自己負担限度額の計算方法は以下の通りです。

--------------------------------------------------------------------------------------------
<一般の被保険者の場合>
80,100 円+(総医療費-267,000 円)×1%

例)総医療費が100万円、自己負担額30万円の場合

80,100円+(100万円-267,000円)×1%=87,430円
30万円-87,430=212,570円が高額療養費として支給

--------------------------------------------------------------------------------------------
<上位所得者の場合:標準報酬月額が53万円以上の者>
150,000 円+(総医療費-500,000 円)×1%

例)総医療費が100万円、自己負担額30万円の場合

150,000 円+(100万円-500,000 円)×1%=155,000円
30万円-155,000=145,000円が高額療養費として支給

---------------------------------------------------------------------------------------------

【自己負担額に算入できるもの】
保険適用される診療に対し、患者が支払った自己負担額が対象となります。

【自己負担額に算入できないもの】
・ 差額ベッド代
・ 病衣代
・ 食費
・ 先進医療にかかる費用等

【いつ申請するか】
高額療養費の計算単位は暦月ですので、一ヶ月ごとに自己負担額を計算し、前述の基準額を超えるようであればその月ごとに申請することができます。また、この高額療養費の請求時効は2年ですので、過去のものを数ヶ月分まとめて申請することも可能です。

一方、長期入院などであらかじめ医療費自己負担が高額になることがわかっている場合、「健康保険限度額適用認定申請書」という書類を事前に出すことで、高額療養費基準額以上の窓口負担がないようにすることもできます。

 

以上、高額療養費制度についてでした。

傷病手当金について   [ 2013.01.24 ]

労災でない私生活上の病気や怪我により会社を休んだ場合、健康保険から「傷病手当金」が支給されます。

【傷病手当金の条件】

傷病手当金は、被保険者(健康保険の加入者)が以下すべての条件に当てはまった際に支給されます。

① 病気やけがのために働くことができない
② 会社を休んだ日が、連続して3日間ある(いわゆる待期期間)
③ 4日目以降も休み

ただし、休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。

【いくら支給されるか】

支給額は、病気やけがで休んだ期間、1日につき、標準報酬日額の2/3に相当する額です。
なお、働くことができない期間について、ア、イ、ウに該当する場合は、傷病手当金の支給額が調整されることとなります。

ア. 事業主から報酬の支給を受けた場合

イ. 同一の傷病により障害厚生年金を受けている場合
    (同一の傷病による国民年金の障害基礎年金を受けるときは、その合算額)

ウ. 退職後、老齢厚生年金・老齢基礎年金・退職共済年金などを受けている場合
     (複数の老齢給付を受けるときは、その合算額)

ア~ウの支給日額が、傷病手当金の日額より多いときは、傷病手当金の支給はありませんア~ウの支給日額が、傷病手当金の日額より少ないときは、その差額を支給することとなります。

【支給の例】

標準報酬月額20万円、9月1日~9月3日有休消化、9月4日~9月30日無給で休んだ場合

(20万円÷30日)×2/3×27日分=119,880円

上の例で、待期期間の3日は有給・無給を問いませんので、有休消化した場合も「待期」として扱われます。ただし、連続して3日の待期期間が必要ですので、飛び飛びに休んだ場合は「待期」として扱われません。

【その他注意事項】

1.医師の証明について

傷病手当金の支給申請には、以下2点が必要です。

① 医師が労務不能と証明すること
② 会社が給与支払なしと証明すること

①をもらうには、証明書発行の手数料がかかります。傷病による休業期間があまりに短い場合(例えば給付対象が1日しかない場合など)、その証明書発行手数料を差し引くと実質的支給額が少なくなることがあります。

2.申請のタイミングについて

また、傷病手当金は、前述②のように「会社が給与を支払っていない証明」が必要なため、給与締日の途中までの医師証明を取っても、その月分の給与締日が来て、給与支払額が確定しなければ申請できません。できれば、会社の給与締日に合わせて医師の証明を取ることをお勧めします。

以上、傷病手当金についてでした。

社会保険の被保険者とは   [ 2013.01.22 ]

社会保険の被保険者とは、どのような働き方をする従業員を指すのでしょうか。
なお、社会保険とは【健康保険(介護保険)・厚生年金保険】のことです。

社会保険の被保険者となるには、以下の要件があります。

----------------------------------------------------------------------------------------------------------
【原則】
適用事業所に使用される者は、適用除外の者を除き、法律上当然に被保険者となる。

この場合、法人の理事・監事・取締役・代表社員・無限責任社員など、法人の代表者または業務執行者であっても、法人から労働の対償として報酬を受けている者は、その法人に使用される者として被保険者の資格を取得します。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------

【適用除外】
以下の従業員は適用除外となります。

正社員と比べて、労働時間か労働日数が3/4未満の者
いわゆるパートさん・アルバイトさんが社会保険適用除外となるには、上記の条件を満たす必要があります。

臨時に使用される者
・日雇いの者
・2ヶ月以内の期間を定めて使用される者

季節的に使用される者
ただし継続して4ヶ月を超えて使用されるべき場合には、初めから被保険者となります。

臨時的事業の事業所に使用される者
ただし、継続して6ヶ月を超えて使用されるべき場合には、初めから被保険者となります。

国民健康保険組合など、他の保険制度に該当している者

----------------------------------------------------------------------------------------------------------

社会保険の調査がある場合、主に「加入すべき人がきちんと被保険者になっているか」を確認されます。その際、上記の適用除外項目に該当していないにもかかわらず加入していない場合、加入するよう指導されることになります。

多くは、以下のケースが問題になります。

勤務時間の長いパートアルバイトで社会保険に加入していない正社員で「入社から〇ヶ月経ってから社会保険に入れる」というルールで社内処理をしている

自社の条件を改めて確認してみましょう。以上、社会保険の被保険者についてでした。

社会保険の加入要件について   [ 2013.01.20 ]

以下の民間企業は、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入する必要があります

個人事業(従業員5人以上)法人企業(従業員の数は問わない)

また、社会保険には「被保険者」となる基準が定められています。
その基準とは、どのようなものでしょうか。

まず、正社員は社会保険被保険者となります。

正社員以外は、主に以下2つの条件でしたら加入しなくてよいとされています。
(適用除外条件)

【1.正社員と比べて「労働時間」か「労働日数」が3/4未満の者】

(a)正社員の週あたり所定労働時間が40時間の場合
【40時間 × 3/4 = 40時間】未満

(b)正社員の月あたり所定労働日数が22日の場合
【22日 × 3/4 = 16.5日】未満

パートタイマーの労働条件について、上記の「時間」または「日数」をひとつの基準として社会保険加入の有無を判断します。
なお、社会保険加入に関する行政調査の際には、契約上よりも実態を元に適用を判断されます。

つまり、たとえ契約上は社会保険に加入しなくてもよい場合でも、実態として基準を超えていれば加入しなければならないことになります。

そのため、社会保険加入基準ギリギリのパートタイマーについては、時間などの管理を厳格に行うことが必要です。

補足として、前述の労働時間(週30時間未満)を基準とする場合、その30時間を月に換算すると概ね「130時間」となります。

月次の労働時間を見て130時間を超えている場合、社会保険の加入義務があると判断されますので、参考にしてください。

また、前述の(a)(b)は「どちらかひとつを満した」場合は適用除外となりますので、社会保険に加入をしないためには「労働時間を抑える」か「労働日数を抑える」
かのどちらかの方法を取ればよいことになります。

【2.日雇い・二ヶ月以内の期間雇用者】
いわゆる期間雇用者などについては、上記のように適用除外要件が定められています。

その他にも要件はありますが、以上の2つを代表的なものとして覚えておくと便利です。
以上、社会保険の加入要件についてでした。

老齢年金の「損・得」世代別試算について   [ 2013.01.18 ]

最近の年金に係る法改正の動きの中で、生涯支払う年金保険料総額と、老後にもらえる年金の受給額総額を比較した生涯収支の試算が注目を集めています。

2012年2月に、「国民年金や厚生年金などの公的年金をもらえる額から支払った額を差し引いた生涯収支を世代間で比べると、50歳代半ば以下の世代で払いの方が多くなる」
という試算が報道されました。

ここでは、報道された年金試算の概要・注意点を説明します。


【試算をしたのは誰か】
内閣府経済社会総合研究所というシンクタンクの所属研究者が公表した学術論文中の試算であり、内閣府の正式な見解を示すものではないとのことです

【どのような条件での試算か】
試算では現行制度の国民、厚生、共済の各年金を対象に、1人あたりの「保険料支払額(企業負担含む)」と「年金受取額」を5歳刻みで算出しています。

物価上昇率を年1%程度、年金積立金の名目運用利回りを4%とした試算を「標準ケース」とし、将来の支払額と受取額を現在の価値に引き戻して調整しています。

【試算結果表】
この試算では、1955年以降に生まれた人=55歳未満の人(2010年現在)は、将来の純受益(年金受給額?生涯保険料)がマイナスになることになります。

【注意点】
これだけを見れば、年金制度不安を煽るだけのように見えなくもないですが、この試算結果を見る上では以下の三つの点で注意が必要です。

① 男女差を考慮していない
(3号被保険者=サラリーマンの妻などについては生涯収支はプラスになる試算結果が出ています)

② 加入保険は職種により異なる
(公費負担の大きい1号被保険者=自営業者などは生涯収支はプラスになる試算結果となっています)

③ 障害年金については、収支の計算に含まれていない


「世代間扶養」という年金の制度設計概念と、この「損得勘定」の考え方はそもそも合わないものですが、職種間や性別間の格差など、制度構造上の検討課題が浮き彫りとなっているとも言えます。

平成24年賃金構造基本統計調査(都道府県別速報)の概況   [ 2013.01.14 ]

厚生労働省が、このほど、平成24 年「賃金構造基本統計調査(都道府県別速報)」の結果を取りまとめ、公表しました。(1月10日)
賃金構造基本統計調査」は、全国の主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数および経験年数別などに明らかにすることを目的として、7月に実施されています。
そのうち今回は、都道府県別の賃金(平成24 年6月分)についての集計結果(速報)で、対象は抽出され
た10 人以上の常用労働者を雇用する民間の64,610 事業所のうち、有効回答を得た49,230 事業所です。


【調査結果のポイント】

1 都道府県別の水準
(1) 賃金が最も高いのは東京都で365,200 円、次いで神奈川県の329,000 円、
     愛知県の311,400 円。
     (前年最も高かったのも東京都で372,900 円。)

(2) 賃金が最も低いのは青森県で227,200 円、次いで岩手県の231,200 円、
     沖縄県の232,600 円。
     (前年最も低かったのも青森県で222,200 円。)

(3) 賃金が最も高い東京都と最も低い青森県との差は138,000 円。
     (前年の最高(東京都)と最低(青森県)との差は150,700 円。)
     *広島県は、285,000円でした

2 前年と比べた増減の状況
都道府県別の平成24 年の賃金(注)は、前年(平成23 年)と比べて「増加」が22 県、「減少」が
25 都道府県(前年は「増加」が24 都府県、「減少」が23 道府県)。

(注)6月分として支払われた所定内給与額の平均値。なお、所定内給与額とは、毎月支払われる
     給与から時間外労働、深夜労働、休日労働などに対する手当を差し引いた額で、所得税などを
     控除する前の額をいう。

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート2012   [ 2013.01.12 ]

仕事と生活の調和関係省庁連携推進会議が、先月(2012年12月)、「仕事と生活の調査(ワーク・ライフ・バランス)レポート2012」を公表しました。

このレポートでは、ワーク・ライフ・バランスについて、企業や働く人、国、地方などの取り組みを紹介するとともに、働き方に関する最近の動きを概観し、当面重点的に取り組むべき事項を提案しています。

今後に向けた課題とし、次の6つを示しています。
   ☆ 社会的気運の醸成(取組の加速など)
   ☆ 仕事と生活の調和に取り組む企業や人を支援
   ☆ ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の実現
   ☆ 働くことによる経済的自立の実現
   ☆ 健康で豊かな生活のための時間の確保
   ☆ 多様な働き方・生き方を選択可能にすること

この課題に対して、当面重点的に取り組むべき事項として次の9つを提案しています。
   ○ 社会的気運の醸成
   ○ 仕事と生活の調和に取り組む企業への支援
   ○ 非正規雇用の労働者等の経済的自立支援とセーフティネットの強化
   ○ 若年者の就労・定着支援
   ○ 仕事の進め方の効率化の促進、長時間労働の抑制等
   ○ 仕事と子育ての両立支援
   ○ 仕事と介護の両立支援
   ○ 地域活動への参加や自己啓発の促進
   ○ いくつになっても働ける社会の実現、働きながら学びやすい社会環境の構築

私が注目したのは、2012年版では、近年、家族の介護などを理由とした離・転職者数が増加傾向にあることから、高齢者介護を担えるような仕組みづくりが重要としていることで、私の思いと共通しています。
概要は、下のURLをクリックすると見ることができます。
http://wwwa.cao.go.jp/wlb/government/top/hyouka/report-12/g_pdf/gaiyo.pdf

 

平成25年度の雇用保険料率が決定   [ 2013.01.10 ]

平成25年4月1日から平成26年3月31日までの雇用保険料率が決まりました。平成24年度のものと同 で、表(平成25年度 雇用保険率表)のようです。

 負担者

事業の種類


労働者負担
(失業等給付の
保険料率のみ)


事業主負担
①+②
雇用保険率
失業等給付の
保険料率
雇用保険二事業の
保険料率
一般の事業   5/1000   8.5/1000  5/1000   3.5/1000   13.5/1000 
農林水産
清酒製造の事業
  6/1000   9.5/1000  6/1000   3.5/1000   15.5/1000
建設の事業   6/1000  10.5/1000   6/1000   4.5/1000   16.5/1000

お気軽にご相談ください

  • 初回無料相談受付中

サービス案内

  • 顧問サービス
  • 就業規則の作成

その他サービス

情報コラム

情報コラム新着記事

事務所案内

  • 磯野 仁 社会保険労務士事務所
  • 代表:磯野 仁
  • 〒723-0144
  • 広島県三原市沼田東町末広325-51
  • 電話:0848-66-0646
  • FAX:0848-66-0646
  • 営業時間:平日 9:00~18:00

事務所案内の詳細

お問い合わせフォーム