社労士コラム

社会保険算定基礎届の提出について   [ 2013.05.23 ]

社会保険の保険料を年1回決め直す「算定基礎届」の提出時期になりました。
社会保険料は、どのように決められているのでしょうか。

1.はじめに
社会保険に加入している企業は、毎年7月10日までに「算定基礎届」を提出しなければなりません。
ここでは、算定基礎届の記入ルールなどについて説明します。

2.算定基礎届の考え方
算定基礎届は、主に以下のルールに基づいて届出をします。

① 算定基礎届は、年1回社会保険の標準報酬(等級)を決定するための届出である

② 4月~6月の給与額(支給総額)を平均して、新しい標準報酬月額を決定する

③ ただし、平均計算に加えることにふさわしくない月の給与は②の計算から除く

④ 新しい標準報酬月額は、その年の9月分以降に反映させる

これらのルールについて、詳細に説明します。

①社会保険料は、毎月の給与支給額に保険料率を乗じるわけではありません。
被保険者の給料を「切りのよい数字=標準報酬月額」に当てはめて、標準報酬月額に保険料を乗じて計算します。
そして、この標準報酬月額は、便宜上一度決定したら1年間継続することを原則としています。

②4月~6月とは、 「支払月」単位で考えます
例えば3月分給与を4月10日に支払う場合、算定基礎届上はそれが4月分給与となります。
また給与には、残業代・通勤手当・その他手当も含めて計算します。

③具体的には、支払基礎日数が17日未満の月を平均計算から除きます。
これは、欠勤控除などのイレギュラーな理由のために、標準報酬月額が実態より低くなってしまうことを防ぐためです。

3.支払基礎日数の具体例

  4月   5月   6月    平均
給与総額 25万円 17万円 24万円 24.5万円
支払基礎日数   31日
  (〇)
  16日
  (×)*
  31日
  (〇)
    —

                                 :5月は、17日未満のため平均計算から除外 

4.算定基礎届の調査について
現在、およそ4年に1度の頻度で、算定基礎届を提出する際に年金事務所の調査が行われます。
算定基礎届の用紙が届くときに面談日を指定した書面が同封されてきた場合、算定基礎届を郵送するのではなく、年金事務所に書類を持参して、調査面談を受けなければなりません。

この調査では、主に以下の項目の確認が行われます。

(1) 社会保険に加入すべき者が加入しているか?
正社員と比べておよそ3/4以上の勤務実態のあるパートタイマーなどがいないかの確認が行われます。

(2) 加入すべきタイミングで加入しているか?
入社後、数ヶ月社会保険に加入していないフルタイム社員など、本来の加入タイミングで加入していない者がいないかの確認が行われます。

(3) 正しい等級で加入しているか?
賃金台帳と比較して、正しく賃金の報告がされているかの確認が行われます。
「基本給だけを申告し、諸手当が算定基礎届の報告から漏れていないか」などです。

算定基礎届についてのご相談は、お気軽に当事務所までお寄せください。

社会保険での「月末退職」と「月末の1日前退職」   [ 2013.05.17 ]

ある顧問先に再就職入社された方について、前の会社の退職日が「月末の1日前」、具体的には「3月31日」ではなく「3月30日」が退職日になっていました。

社会保険の仕組みを知っている人から見ると、言葉は悪いですが、前の会社は、会社の都合を最優先にするケチな会社だったんだと思います。

明らかに、会社が3月分の社会保険料を節約するための流れに乗せられたのです。

確かに、このような節約(たった1人の1か月分経費を浮かせること)は、ほとんどの退職社員が社会保険の仕組みを知らないことをいいことに「このようにすれば、あなたは、3月分の保険料を払わなくてよくなります。」などと言って、しばしば行われています。

でも、退職する社員(例えば4月1日に次の会社に入社することが決まっている場合)にとっては、3月30日退職では、3月分の社会保険が空白となり、途切れます。

この空白を無くすために、原則的には、この1日のために3月は国民年金に加入しなければなりません
この場合の国民年金の保険料は、削減できた厚生年金保険料とあまり変わらないのではないでしょうか?

つまり、退職者にとって、保険料削減の効果は薄く、逆に、将来の年金の事を考えるとデメリットの方が大きいのです。

種々の事情はあるでしょうが、退職者本位に考えて下手な小細工をしない方が、結局は会社にとって良いことだと思うのですが・・・

特に、退職者のほとんどは社会保険の仕組みを知らないのだから「まずは、持ちかけてみよう。もし、知っていたとしたら引っ込めれば良いのだから」と安易に行うと思わぬしっぺ返しにあいます。

年金に関するQ&A (4)   [ 2013.05.08 ]

今回も雇用保険との調整についてのQ&Aです。

Q1
「この度、再就職したので基本手当(失業給付)の支給は終わった。未だ、年金が振り込まれて来ないがが、支払開始はいつ?」

A1
基本手当との調整において、再就職されて厚生年金保険に加入された月は、支給停止の対象としないことから、資格取得により在職老齢年金となった事実が確認でき次第、支給停止の解除処理が行われます。 

なお、再就職されても厚生年金保険に加入されない場合は、受給期間満了日まで引き続き調整の対象になります。
ただし、基本手当の支給はないため、その間の年金の支給は、その月に基本手当の支給を受けたとみなされる日がないことが確認されたうえで、年金の支給停止の解除が行われます。
 
具体的には、年金の支払いは、基本手当支給終了の情報が確認されてから3か月後になります。

その後も基本手当の受給がなければ、受給満了になるまで、毎月1ケ月分が支払われます。

【事例】
 5月分について、基本手当の受給基本手当を受給していないことが確認できたことにより、3カ月後の8月に年金が支給されます。

年金に関するQ&A (3)   [ 2013.05.06 ]

今回は、雇用保険との調整についてのQ&Aです。

Q1
「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給した場合、どうして年金との調整がされるのか?」

A1
平成6年の年金制度改正において、年金と雇用の両制度間で雇用保険法による給付と年金の調整が法定化され平成10年4月より実施されています。
理由は、

【失業給付と年金の調整について】
 ①定年退職後、就職せずに失業給付と年金の両給付を受給した場合の合計額が、就職した場合の
    賃金よりも高くなり、高齢者の就職意欲を阻害することになってしまうため。
 ②両給付の重複支給は、社会保障として過剰となるため。
    引退した人に対する所得補償である年金と、就職意欲のある人に対する所得補償である失業給付
    との併給には合理性があるとはいえないため。

【高年齢雇用継続給付と年金の調整について】
高年齢雇用継続給付と老齢厚生年金とは、個人に対して同一時期に支給される公的な現金給付であり、双方が同質の給付であることから失業給付と年金の調整に準じて、高年齢雇用継続給付金の受給者については、在職老齢年金の仕組みによる支給停止に加え、一定の支給停止が行われています。

年金に関するQ&A (2)   [ 2013.05.04 ]

今回は、厚生年金保険の在職老齢年金関連に着目します。

Q1
「在職中に年金受給で、先月末で退職。何か届出が必要?
  また、いつから年金が増額される?」

A1
退職に伴う届出は必要ありません。
年金額は、資格喪失日(退職日の翌日)の翌月から改定されます。
ただし、退職して被保険者の資格を喪失したまま1ケ月が経過していることが、退職改定の要件です。

退職改定して増額された年金額で支給されるのは、退職から3~4ケ月後になります。

また、退職後ハローワークに求職の申し込みをしたときは、支給停止事由該当届の提出が必要です。
このときは、退職による年金額の改定をしますが基本手当を受けている間は、年金は全額支給停止になります。

Q2
「在職中に年金受給で、厚生年金保険に加入しています。在職中に納付した保険料は年金額に反映されるのでしょうね。掛け捨てにはならない?」

A2
70歳未満で退職して被保険者の資格を喪失し、その翌日から再就職せずに1ケ月が経過したときは、年金を受けながら在職していた間の被保険者期間を含めて、年金額の再計算が行われます

なお、特別支給の厚生年金の報酬比例部分は、全期間が年金額の計算の対象となりますが、定額部分の上限を超えた期間は、年金額の計算の対象とはなりません
 

Q3
「年金を繰上げて受給している。退職時の年金額の改定は?」

A3
退職後の被保険者期間で基本年金額を再計算します。
再計算された年金額から繰上げ減額率による額を減らした年金額が支給されます。

ただし、一部繰上げしている場合は、報酬比例部分は退職改定されますが、繰上げ調整額(定額部分の繰上げ)は退職改定されず、定額発生年齢到達時点で改定されます。

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