社労士コラム

育児短時間勤務制度のメリット・デメリット   [ 2013.09.25 ]

育児のための「短時間勤務制度」が法制度化されたため、その認知も広がってきましたが、短時間勤務の活用には難しさがあります。

はじめに

改正育児介護休業法において、平成24年7月1日から従業員数100人以下の中小企業に対しても「育児のための短時間勤務制度」の義務化が行われました。

この短時間勤務制度は世間に認知されてきていますが、その一方で既存社員との不公平や本人のキャリア形成との相反性が問題になっています

ここでは短時間勤務制度についての解説と、制度のメリット・デメリットについて取り上げます。

短時間勤務制度とは

短時間勤務制度とは、3歳未満の子を養育する従業員が希望した場合に、従来の勤務時間(または日数等)を短縮して勤務することが出来る制度です。単に従業員の希望に応じて都度対応するだけではなく、就業規則などで文書化する必要があります。

  短縮の方法としては、少なくとも「1日の労働時間を6時間」とする措置を含まなければなりません。現実的には始業・終業の時刻を育児の状況(保育園の預かり時間など)に合わせて短縮するケースが多いでしょう。

問題点

短時間勤務制度の義務化は、育児と仕事の両立を図る政府の方針に対してはプラスに働くでしょう。一方現場では、労働力の低下・補充人員の確保や、フルタイム従業員が感じる不公平感への対応など、新たな課題に直面しています。

育児短時間勤務制度導入によるメリット・デメリット

* メリット

【従業員の視点】 ・育児時間の確保     ・キャリアの継続       ・柔軟な働き方

【会社の視点】 ・女性労働者の能力活用    ・採用活動上のアピール力強化   ・法令順守による企業イメージ向上

デメリット

【従業員の視点】 責任ある仕事を任されにくい  ②収入減少  ③教育(研修など)を受ける機会の減少

【会社の視点】 ①代替労働力の確保コスト ②フルタイム従業員との不公平を調整する作業コスト  ③代替労働力に対する教育コスト

見過ごされがちなのは、従業員にとってのデメリット項目でしょう。子どもの急な発熱などで休まざるを得ない状況下では、突発的な事案の対応や指揮命令を行うといった責任のある仕事を任されにくいでしょう。

育児期間中という社会的立場に甘んじてしまい、キャリア形成志向が薄れていくならば、本人と会社の両方にとってデメリットになります。

会社が従業員のワーク・ライフバランスを重視するならば、育児上の便宜を図るだけではなく、育児制度利用によるデメリットを理解させて、従業員のキャリア形成の意向を踏まえた復帰プランを一緒に考えてあげるべきではないでしょうか。

障害年金、請求漏れ2万人以上 厚労省調査で判明   [ 2013.09.19 ]

  今年の7月、身体障害者手帳を持つ20歳以上の人のうち、障害年金を受給できるのに請求手続きをしていない人が0.4%程度に上るとの調査結果を、厚生労働省が発表しました。

  手帳保有者の数から推測すると、請求漏れは2万人程度とみられるとのことです。 

  精神障害者や知的障害者の調査は実施しておらず、障害年金全体の請求漏れは2万人を上回る可能性が高いとのことですが、この原因の一端は、請求手続き理解のむずかしさと煩雑さにあると思っています。私の経験では、決定までに年金事務所に2~3回通い、病院にも2~3回通い、そして書類作成が一日がかりとなります。これだけの労をかけても出るか出ないかは審査次第になります。(ただ、受給となる可能性の高い書類等の作成の仕方は身に付きましたが・・・)

 さて、障害年金は、障害基礎年金や障害厚生年金などがあり、障害が一定程度以上重いことなどが受給条件。障害基礎年金は、原則20歳以上の人が受給対象で、最も重い1級で子どもの加算がない場合、年98万3100円受け取れるものです。請求がおくれても時効が5年ですので、直近5年間のものは受給できる可能性があります。つまり、この例では、約500万円が受給できる可能性もあります。

  おこころあたりの方は、当事務所の初回無料相談をご利用(電話、FAX、メール)ください。

初回無料相談:    http://sr-isono.com/contact

 

緊急情報 国民年金切替(3号から1号)が2年以上遅れたことがある方へ   [ 2013.09.17 ]

1.専業主婦・主夫の年金が改正されました。

    原則として20歳から60歳までのすべての方が「年金」に加入することになっていますが、会社員や公務員(2号被保険者)に扶養されている配偶者(専業主婦:3号被保険者)は、保険料を納める必要はありません。
    ただし、夫が退職した場合や、妻自身の年収が増えたときなどは、届出(3号被保険者から1号被保険者への変更届)をして、保険料を納めなくてはなりません。
    この届出が2年以上遅れたことがある方は、2年以上前の保険料を時効のために納付することができないため、保険料の「未納期間」が発生します。

   このたび、専業主婦の年金が改正され、このような方が手続をすれば、「未納期間」を「受給資格期間」に算入できるようになりました。もちろん保険料納付済期間にはなりません。※妻が会社員、夫が専業主夫の場合も同様です。



例えば、
〇サラリーマンの夫が、
    ・退職した
  ・脱サラして自営業を始めた
  ・65歳を超えた
  ・亡くなった
〇サラリーマンの夫と離婚した
〇妻自身の年収が増えて夫の健康保険証の被扶養者から外れた 等

このような方で上記の未納期間が発生した方はすぐに年金事務所にお問い合わせください

お問い合わせが遅れると、
  ・65歳以上の方は、年金の受け取りも遅れます。
  ・65歳未満の方は、障害・遺族年金を受け取れないおそれがあります。

所定の手続き(特定期間該当届の提出)をすれば、「未納期間」を「受給資格期間」に算入できるようになりました。この「受給資格期間」は、年金を受給するために必要な加入月数(原則300月)には反映されますが、老齢基礎年金の年金額には反映されません。

2.手続きをすれば、無年金や年金の減額を防ぐことができます

無年金から年金受給に!
年金を受け取るためには、次のものが必要です。

  • 老齢基礎年金 ⇒ 25年(300月)以上の「保険料を納めている期間など」があること
  • 障害・遺族基礎年金 ⇒ 加入期間の2/3以上が「保険料を納めている期間など」であることなど


手続きをすれば、「未納期間」が「特定期間」となり、「受給資格期間」に算入できるようになりますので、老齢基礎年金だけでなく、万一の時の障害・遺族基礎年金の受給権確保につながります。

  • 老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間は、平成27年10月からの消費税の引上げにあわせて、25年から10年に短縮される予定です。
  • 障害・遺族基礎年金の「受給資格期間」については、特例措置がありますので、万一に備えて手続きは急いですべきと考えます。
  • 

3.将来的には保険料納付で年金額アップ(平成27年4月から:予定)

手続きをすれば、本来はさかのぼって納付することができなかった期間(最大10年分)の保険料を納付することができるようになります(これを「特例追納」といいます)。保険料を納めれば、納付した額に応じて老齢基礎年金の年金額が増えます。

【特例追納の対象となる期間】
(1)特例追納をする時点で60歳以上の場合
    50歳以上60歳未満の期間

(2)特例追納をする時点で60歳未満の場合
    納付をする時点から過去10年以内の期間

【特例追納できる期間】
平成27年4月1日から平成30年3月31日まで(3年間)
特定期間該当届をされた方には、平成27年4月に向けて特例追納の案内が日本年金機構から郵送されるとのことです。

4.手続きの流れ

ここで整理すると次のようになります。

  1. 専業主婦・専業主夫の方で、国民年金の切り替えの届出(第3号被保険者から第1号被保険者)が2年以上遅れたことがある方
            ↓
  2. 年金の改正による手続き(平成25年7月1日から)
    特定期間該当届を最寄りの年金事務所へ提出
    ※ 市区町村では取り扱っていません。
            ↓
  3. 日本年金機構から特定期間該当届受理通知書が送付されてきます。
            ↓
  4. 未納期間」が「受給資格期間」に算入されます。(手続きした日以降に算入)
     また、受給資格期間について、申込みにより保険料を納付し、老齢基礎年金額を増やすことも可能となります。(6の手続きへ)
            ↓
  5. 手続きにより受給資格期間を満たした方は、無年金から年金受給へ(手続きした日以降)
            ↓
  6. 「受給資格期間」となった期間について特例追納の申込み(平成27年2月から)
    特例追納できる期間は、平成27年4月1日から平成30年3月31日まで(3年間)
            ↓
  7. 特例追納した実績に応じて年金額アップ(平成28年5月以降にお支払い)

 年金に関する今回の例やその他の事項に関して、お手伝いをいたします(初回無料相談)。当事務所に気軽に電話やメールでご連絡ください。 

国民年金 後納制度の実施状況   [ 2013.09.16 ]

国民年金保険料の後納制度は、平成24年10月1日から始まり、間もなく1年を迎えようとしています。

この後納制度については、本ホームページの2012年9月4日社労士コラム(http://sr-isono.com/column/month/2012/09/page-6)でお知らせしています。

国民年金保険料の後納制度:「国民年金保険料は納期限より2年を経過した場合、時効によって納付することができなくなりますが、過去10年間の納め忘れた保険料について平成24年10月1日から平成27年9月30日までの間に限り、厚生労働大臣の承認を受けたうえで、時効により納付できなかった期間の保険料を納付できる。」

この保険料後納制度を利用することで、年金額を増やすことはもちろん、納付した期間が不足したことにより年金の受給ができなかった方が年金受給資格を得られる場合があります

日本年金機構は後納制度を多くの方に利用していただくため、これまで約2,000万人の方にお知らせをお送りしてきましたが、本年7月をもってお知らせの送付は完了しています。

後納制度は、引き続き平成27年9月30日まで利用できますので、今後も活用すべき制度といえます。過去の諸事情により保険料が納付できなかった方は、この後納制度の利用を再度、ご検討されることをお勧めします。

但し、既に老齢基礎年金を受給している方や、65歳以上で老齢基礎年金の受給資格をお持ちの方は、後納制度はご利用できませんのでご注意ください。なお、後納制度は事前にお申し込みいただき、後納保険料が納められる期間が審査されます。審査の結果によっては後納制度をご利用いただけない場合がありますのでご注意ください。

 

さて、日本年金機構は【後納制度の実施状況等(平成25年7月末現在)】を発表しております。その内容は、以下のようです。


お知らせの送付件数:20,094,890件

相談受付件数:862,555件

申込書受付件数:802,869件

【老齢基礎年金が裁定された方の後納制度の利用状況(平成25年7月29日現在)】
〇老齢基礎年金が裁定された方のうち後納制度の利用者数
                                                          17,415人
〇上記のうち後納制度を利用した方で受給資格期間を満たした人数
                                                            8,854人
       ※65歳未満で老齢基礎年金の繰上げ受給をした方を含みます。

 

つまり、全国で約9,000人の方が無年金から脱却されています。

 

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