社労士コラム

「平成25年版厚生労働白書」が発表された   [ 2013.10.12 ]

厚生労働省は、先月に「平成25年版厚生労働白書」を発表しました。

 「厚生労働白書」は、厚生労働行政の現状や今後の見通しなどを、広く国民に伝えることを目的に毎年発表されており、平成25年版は昭和31(1956)年の「厚生白書」発刊から数えて56冊目となります。

 厚生労働白書は2部構成となっています。                                                                             
 第1部:毎年テーマを決めて執筆されており、今年のテーマは「若者の意識を探る」です。厚生労働白書のテーマとして「若者」を取り上げるのは初めてとのことです。
 現在の若者の意識について、結婚、出産・子育て、仕事といったライフイベントに焦点を当てて分析を行っています。

 第2部:現下の政策課題への対応」では、子育て、雇用、医療・介護、年金など、厚生労働行政の各分野における最近の施策の動きをまとめています。

概要版へは次のURLでリンクできます。

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/13-1/dl/gaiyou.pdf

社長の労災事故に備えるには   [ 2013.10.11 ]

仕事中にケガなどをして労災保険が適用される場合には、本人が窓口で診察代を支払うことはありません。本人の自己負担額は0円になります。

しかし、労災であったとしても、相手のある交通事故の場合には、相手方の自賠責保険等から優先して請求することとなります。また、治療に必要のない差額ベット代のかかる部屋に入院した場合には、その部分は自己負担となります。

労災保険の対象は従業員ですので、経営者や取締役は対象となりません。つまり、社長が仕事中にケガをした場合は、労災保険は使えないことになります。また、仕事中のケガですので、健康保険も使うことが出来ません。全額自己負担をしなければならないことになってしまいます。

 しかし、中小企業では社長もプレイヤーとして現場で働いていることが多いため、仕事中のケガや病気について全額自己負担では社長がかわいそうだということで、下記2つの条件に当てはまる場合は、仕事中のケガであっても健康保険を使うことが出来ます。

健康保険の被保険者数が5人未満の事業所に所属している

通常の従業員と変わらない仕事をしている

なお、この場合には、「傷病手当金」の請求は出来ないので、注意が必要です。傷病手当金とは、健康保険から支給される休業中の所得補償です。連続3日以上休業した場合、4日目から標準報酬日額の3分の2が支給されます。

因みに、通常労災保険の対象とならない人が労災保険に加入できる、「特別加入」という制度があります。特別加入することが出来るのは、以下の方です。

前提:

労働保険事務組合に労働保険事務を委託している会社であること

対象者:

中小事業主とその従事者(常時300人以下の労働者を使用)

一人親方その他の自営業者とその事業に従事する者(従業員を雇わずに仕事をしている)

特定作業従事者

海外派遣者

仕事中のケガや病気に見舞われてしまう可能性の高い方は、労働保険事務組合への委託をし、特別加入を検討するのもよいでしょう。

年金制度改正の動向(2/2)   [ 2013.10.10 ]

来年の4月からの消費税率のアップが決定し、先の「三党合意」を受けての年金制度の改正も本格化してきています。ここでは、昨年以降施行されたものや今後施行が計画されているものをまとめて見ました。(2回に分けてお知らせします。)

今回は、全体のあらましの後半を記載します。このような改正が考えられていることを掴み、自分に関係しそうな事項を頭に留めて、「知らずに後悔する」ことを避けて頂きたいのです

施行日 項目 概要

H26.4.1

特別支給の老齢厚生年金に係る障害特例の支給開始時期の見直し

障害等級1級から3級で、要件に該当する人は、請求すれば60歳代前半の老齢厚生年金の定額部分を受けとることができます。     
現状は、請求時から支給されることになっていましたが、法改正後は、障害状態にあると判断される時にさかのぼって支給されることになりました。

H26.4.1 未支給年金の請求権者の範囲拡大

年金は、偶数月にまとめて2か月分が支給されます。また、年金は権利が消滅する月まで支給されます。そのため、年金を受給していた人が亡くなったとき、多くの場合、支給されなかった年金が残ります。
この未支給年金を受給できるのは、受給権者が亡くなった当時、生計を同じくしていた人で、次の遺族に限られます。法改正により、その範囲が変更されます。

拡大追加される遺族は、甥、姪、子の配偶者、叔父、叔母、曾孫、曾祖父母などです。

H26.4.1 国民年金保険料の免除期間に係る保険料取扱いの改善 ①これまでは、国民年金保険料を前納した後に、免除に該当するようになっても、それまでに納付した保険料は還付されることはありませんでした。
法改正後は、免除に該当した月以後の保険料について、還付されることになりました。
②ただし、この場合でも、本人が希望する場合には、保険料を還付せず、保険料を納めた期間とすることができます。
③法定免除に該当しても、本人の希望により、保険料を納付したり、前納したり
することができます。
H26.4.1 国民年金保険料の免除等に係る遡及期間の見直し 国民年金保険料の免除の遡及期間は、これまで直前7月までとされていました。法改正後は、過去2年分まで遡及されることになりました。  
学生納付特例制度、若年者納付猶予制度については、同様に過去2年分までさかのぼって免除されることになりました。
H26.4.1 産休期間中の保険料免除及び従前標準報酬月額の特例 育児休業中は、保険料が免除されています。また、育児休業から復帰して給料が下がったとき、すぐに下がった給料をもとに標準報酬月額が改定されるなどの特例があります。
次世代育成支援の観点から、産前産後休業を取得した際にも、同様の優遇措置が受けられることになりました。
①産前産後休業中の保険料産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後8週間のうち、働かなかった期間の社会保険料が免除されます。
②産前産後休業を終了した際の標準報酬の特例産前産後休業終了後に、育児等を理由に給料が下がったとき、産前産後休業終了後の3か月間の給料をもとに、標準報酬月額が改定されます。
通常、給料が下がったことによる「随時改定」は、2等級以上の差が生じた場合ですが、この特例では、1等級の差でも改定されることになります。
H26.4.1 付加保険料の納付期間の延長期間への算入 付加保険料は、翌月末日の納期限までに保険料を納付しなければ、加入を辞退したものとみなされます。     
法改正後は、国民年金保険料と同様に、過去2年分まで納付できるようになります。
H26.4.1 所在不明の年金受給者に係る届出制度の創設 年金受給者が所在不明となった場合に、その旨の届出をその受給者の世帯員に対して求め、年金支給の一時差止めを行う。
 H26.4.1 
詳細未定
 遺族基礎年金が父子家庭にも支給  遺族基礎年金については、母子家庭には支給されますが、父子家庭には支給されません。
最近は共働きの家庭も増えており、制度に男女差があることが問題になりました。そのため、法改正後は支給対象者である「子のある妻」を「子のある配偶者」と変更されます。
 H27.10.1  
詳細未定
 年金の受給資格期間が25年から10年に短縮  老齢年金を受け取るには、原則として25年以上の加入期間(受給資格期間)が必要です。将来の無年金者を少なくするために、この「25年」が「10年」に短縮されます。
これにより、現在無年金の高齢者でも、受給資格期間を満たす場合は、施行目以降、年金を受け取ることができます。
ただし、支給額は、掛けた期間に応じたものとなり、掛けた期間が短い人は、その期間に応じて少なくなります。
 H27.10.1  
詳細未定
 厚生年金保険と共済年金の一元化  現在の制度では、自営業者やサラリーマン等の配偶者が加入する国民年金、サラリーマン・OLが加入する厚生年金、公務員・私立学校の教職員が加入する共済年金があります。
厚生年金と共済年金を統一(一元化)することは、以前から議論されており、2年後に実施されることになりました。

年金制度改正の動向(1/2)   [ 2013.10.07 ]

来年の4月からの消費税率のアップが決定し、先の「三党合意」を受けての年金制度の改正も本格化してきています。ここでは、昨年以降施行されたものや今後施行が計画されているものをまとめて見ました。(2回に分けてお知らせします。)

一部の人には、年金が改正(改悪と考える人もいるでしょうが)されても関係ないと思われるかもしれませんが、将来設計を考えるうえで、知識として重要と考えます。一度、考えられたらと思います。もちろん、60歳前後の人には、きっちりと把握して頂きたいと思います。

最近では、厚労省や年金機構の方でもPRに注力していますが、年金に関しては、「もっと早く知っておけば良かったのに・・・」と思われる方が多いですので。

今回は、全体のあらましの前半を次の表で示します。後半は次回です。このような改正が考えられていることを掴み、自分に関係しそうな事項を頭に留めて、「知らずに後悔する」ことを避けて頂きたいのです

施行日 項目 概要

H24.10.1~H27.9.30

後納制度

老齢年金を受給するには、原則として25年以上の加入期間が必要ですが、25年に満たない人は、時効により過去2年前までしかさかのぼって保険料を納めることができません。
過去2年を超えて、10年前まで保険料を納めることができるものです。あと少し加入期間が足りなで、老齢年金を受給できない人などは、この期間を逃さず納付を考慮しては・・・。

H25.4.1 嘱託として再雇用された人の標準報酬の特例緩和

定年退職後、再雇用されたとき、給料が大幅に下がることがあります。
通常は、標準報酬月額が2等級以上下がった場合に、4ヵ月日から標準報酬月額が改定されます。
しかし、定年退職後、継続再雇用された人で要件にあてはまる人は、すぐに低い標準報酬月額にすることができる特例があります。この特例の要件が緩和されました。特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢が61歳(男性)になったことに対応するものです。

H25.4.1 ねんきん定期便の節目年齢が59歳に変更 毎年、日本年金機構から年金加入記録などを記載した「ねんきん定期便」が送られています。その内容は、35歳、45歳、58歳を「節目年齢」と位置づけ、その他の年齢のものよりも、詳しいものになっています。
平成25年度から、58歳の節目年齢が59歳に変更されました。
H25.10.1 特例水準の解消 年金は物価の変動に連動して上げたり下げたりすることになっています。
しかし、現在支給されている年金額は、平成11年から13年までの間に、物価が下落したにもかかわらず、政治的配慮で据え置いたため、法律で本来の水準よりも2.5%高くなっています。
これを解消するために、今後3年間で特例水準を解消することになりました。
平成25年10月に1.0%減、平成26年4月に1.0%減、更に平成27年4月に0.5%減、合わせて2.5%減となります。
H26.4.1 老齢年金の繰下げ支給に係る支給開始時期の見直し 現在の制度では、繰下げ支給による増額は、70歳までです。  
70歳を超えると、年金額が増えないばかりか、請求の翌月以降の年金しか支払われないという制度になっています。請求が遅れた分は、まる損でした。  
法改正により、70歳を超えて年金の請求をした場合でも、70歳以降請求月までの年金は支払われることになりました。
H26.4.1 国民年金任意加入者の国民年金保険料未納期間の合算対象期間への算入 現在の制度では、基礎年金制度導入前のサラリーマンの妻など、任意加入できた人が任意加入しなかった期間については、合算対象期間とされています。
一方、これらの期間について任意加入はしたけれど、保険料を納付しなかった場合は未納期間とされ、合算対象期間ではありませんでした。
改正後は、これらの期間についても、合算対象期間とされることになりました。
具体的には、次の任意加入をしたが、保険料を納めなかった期間が合算対象期間になります。
●基礎年金制度導入前のサラリーマンの妻
●20歳以上の学生
●基礎年金制度導入後の海外在住者
H26.4.1 障害年金の額改定請求に係る待機期間の一部緩和 障害年金は、障害の程度が重くなっても、改定請求には、1年間待機する必要がありました。
法改正により、明らかに障害の程度が重くなったことが確認できるときには、1年待たずに請求できることになりました。

職場のパワーハラスメント対策ハンドブックが作成されました   [ 2013.10.05 ]

厚労省の9月27日の発表によりますと職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を推進するため、企業の取組の好事例などを紹介した「職場のパワーハラスメント対策ハンドブック」が作成されました。このハンドブックのダウンロードのURLは次のものです。

http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/download.html

 ハンドブックは、40頁程度で、ここでは製造業や建設業、社会福祉施設など様々な業種、全17社の取組の好事例を紹介しているほか、就業規則の規定例などを掲載しています。ハンドブックは、取組に着手していない企業はもちろん、すでに取組を行っている企業でも活用できる内容となっています。

  

職場のパワーハラスメントについては、この問題の予防・解決に向けた取組を行っている企業が約半数にとどまるなど、取組が遅れている企業が多く存在するといった課題が明らかとなっています。また、職場のパワーハラスメントなどによる若者の「使い捨て」が疑われる企業が、社会で大きな問題となっています。 ご一読されてはと思います。 

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