人事労務情報

賞与制度について   [2012.10.08]

   賞与は、労基法上の賃金には該当しますが、退職手当と同様に毎月の定期賃金と異なる扱いがされています。
   例えば、毎月の一定期日に払われるべき賃金に関しては、労働条件及び就業規則の絶対的必要記載事項となりますが、賞与は、相対的必要記載事項になっています。
   一般に賞与に関する就業規則等の定めも抽象的なものが多く、支給額や支給対象者も明確ではありません。
   つまり、賞与に関しては、労基法上で支払わなければならないものではなく、企業が就業規則等で定めない限り、また定めたとしても定められた支給条件を満たした時にのみ支払う必要があるものです。

   この支給条件に関しても一般的に合理性の認められる条件であれば問題ありません
  
   例えば、「賞与をその支給日現在に在籍している者に対してのみ支給する。」の賞与支給日在籍要件を定めた就業規則の規定は有効とされています。 (最判昭57.10.7 大和銀行事件)

  ただし、上記のように記載されている限り有効であり、これが明確に定められていない場合には、賞与算定期間中の勤務実績に応じて算定された賞与を支払う必要があります

  その他、次の点を留意ください。
1)裁判例の中には、年内の退職予定者と非退職予定者について、将来の活躍に対する期待と
   言う観点から賞与の額に差をつけることは直ちに違法ではないが、2割以上の差をつけることは、
   公序良俗に反するとしたものがあります。  (東京地判平8.6.728 ベネッセ コーポレーション事件)

2)定年退職者や会社都合で退職させられた者については、労働者の意思にかかわりなく、その将来
   の労働への可能性が奪われている以上、支給日に在籍していなくとも賞与対象期間に勤務して
   いる限り賞与は支給されるべきとされた判例もあります。
   支給日在籍の要件が明示されていない場合は、このような取扱いが必要かと思います。

   繰り返しになりますが、賞与支給日在籍要件を定めた就業規則の規定がある限り、「賞与をその支給日現在に在籍している者に対してのみ支給する。」が有効です。
   ただし、上記の1)、2)の気配りがリスク回避の面からは必要と思います。

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