人事労務情報

問題事実を記録する意味   [2012.10.19]

   遅刻や欠勤、業務上のミスを繰り返す社員の問題行動に対して、事実を記録しておくことは大きな意味があります。

1.はじめに
   数分単位の遅刻を繰り返す、報告・連絡・相談が不十分である、業務上のミスを繰り返すなどの、「それほど大きくないが困りもの」の問題行動を起こす社員はいませんか?

   そのような社員にペナルティーを科したい場合、また解雇を検討している場合は、「始末書」や「再発防止計画書」などで問題事実を記録することが重要です。
   ここでは、問題行動に対する記録方法と注意点について取り上げます。

2.始末書とは
  
始末書とは、一般的に「過ちを詫びるために、事情を記して関係者に提出する書面」を指します。つまり、始末書という言葉の中には、すでに「過ちがあったことを認める」という要素が含まれています。

3.再発防止計画書とは
  
再発防止計画書とは、主に業務上のミスなどについて「再発しないためにどのような行動をするか」を当人に計画させるための書面です。「計画書」と銘打ってある点で、始末書よりは謝罪の意味合いが少ないと言えるでしょう。

4.提出時のポイント
  
上記書類の提出時に大切なポイントは、以下の通りです。

【1】日時、場所、具体的な問題事実、問題発生の原因、改善方法と期限、
     主体となる者の氏名が書かれていること
  
客観性のある日時や状況について具体的に書かれてあることで、懲戒などのペナルティーを検討する際の拠り所となります。

【2】会社側が内容をあらかじめ雛形文書にまとめてサインさせないこと、
      また心理的に圧迫していると取られかねない方法で強要しないこと
  
会社側が問題行動の文書をまとめ、「これにサインをして下さい」と言った場合、のちに「サインを強要されただけで、事実として認めていない」と主張されるリスクがあります。
   会社が雛形を用意する場合であっても、本人が事実として「認める」か「認めない」かを選ぶ自由があることは言い添えましょう

   また、大声で書面提出を強要したり、他の従業員の面前で非難をしたりしないよう、あくまで「冷静に」「粛々と」事実を調査する目的で臨みましょう。

【3】再発防止のための教育・指導をし、その指導をした事実も記録すること
  
単に始末書や再発防止計画書を提出させるだけでなく、問題行動が再発しないよう、会社が教育・指導を試みることが重要です。
   始末書の目的は、「反省させて懲らしめる」ことよりも「失敗を繰り返させない」ことにあるためです。

5.書面が効果的となる時
  
問題行動が深刻になり、減給・出勤停止・解雇などを検討するレベルになったときに、これらの書面が「本人も認識している問題行動の事実があったこと」の証拠となります。
   たとえば解雇の合理性を争うことになった場合、以下2つの主張では、【1】の方が合理性が高いと言えます。

【1】始末書A事案について〇月〇日に△△の指導をして、始末書B事案について×月×日に××という教育をして、それでも直そうとしないため、やむを得ず減給をして反省を促しましたが、それでも改善しないので解雇しました。

【2】時期は記録していないのですが、AやBやCなどの悪いことをしていたため、我慢できずに解雇しました。

   問題社員対策は、文書で記録を残すことから始めましょう

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