人事労務情報

労働条件についての差別的取扱いの禁止   [2012.09.07]

   労働基準法で差別的取扱いの禁止を定めているのは、第3条第4条です。

   第3条「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない。」

   この条文では、差別原因を限定的に列挙しており、この3つの列挙原因によるもののみが対象として禁止されています。これら以外の学歴・能力・性別などは、この条文では、対象外です。
   一方、労働条件に関しては、賃金、労働時間は、例示であり、全ての労働条件に関して、差別的取扱いが禁止されています。つまり、解雇、災害補償、安全衛生等に関するものも含まれます
   また、留意しておいて頂きたいのは、この条文は、雇入れ後の労働条件についての制限であり、雇入れ そのものを制約するものではありません

   さて、国籍、信条、社会的身分のうち、国籍は分かりやすいですが、信条とは何でしょうか。特定の宗教的又は政治的な信念と解されています。さらに分かりずらいのは、社会的身分ですが、これは、生来的な地位を指すと解されています。つまり、後発的な、又は後天的なものは入らないとされています。例えば、正社員とか、嘱託、パートタイマーといった雇用形態は社会的身分に該当しないのです。

 

第4条「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。」

   第3条では除外されていた性別について、差別の禁止を規定した条文です。ただし、賃金に限定して差別を禁止しています。留意して頂きたいのは、差別的取扱いの禁止ですから女性を有利に扱うことも禁止です。

 

   これに関連して、次のような場合は、どのように解釈すべきでしょうか?

*定年後嘱託として再雇用した従業員に従来と同じ仕事をさせて、雇用形態が変わった理由で賃金をダウンさせた。これは、労働基準法違反でしょうか。*

   上述のように嘱託は社会的身分でありませんので、正社員の時と嘱託の時とで同じ業務をしていても第3条で問題になることはありません。
   また、この場合、同一労働・同一賃金の原則の関係から従来と同じ仕事をしているのに賃金ダウンはいいのかの問題ですが、同一労働・同一賃金の原則の考え方は、賃金のあり方に関する一つの理念であり、これを基に縛られる条文はありませんので問題ありません。

   ただし、嘱託になってからのダウン率が男女差のみで異なる場合には、第4条に違反します。

 

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