人事労務情報

広告と別条件での労働契約について   [2013.01.19]

求人広告と異なる条件で労働契約を結ぶ時、広告の内容通りの労働条件を結ぶべきでしょうか。

 【広告掲載の条件は見込みである】
求人広告に記載された賃金額はあくまでも見込みであり、必ずしも広告どおりの労働条件で受け入れる必要はありません

【労働契約申し込みの誘引】
一般に会社が社員を雇い入れようとする際には、新聞や求人雑誌に求人広告を出したり、ハローワークに求人票を提出したりします。当然これらには、求職者が応募するかどうかを検討するために賃金や労働時間などの条件を提示します。

こうした募集にかかわる行為は、法的には「労働条件申し込みの誘引」と考えられ、求人広告などを見て求職者が応募する行為は「契約の申し込み」となります。そして、この契約の申し込みを受けた事業主が、採用面接などの段階をへて採用を決定した時点で、はじめて労働契約が成立します。

つまり、求職者が応募してきた時点では、まだ労働契約は結ばれていない のです。

 

【実際の条件が違い過ぎるのは問題である】
求人広告で示した条件で雇い入れる必要はないとしても、求人者は提示された条件を判断材料として応募したのですから、あまりに条件が違いすぎることも問題です。

ですから、広告や求人票などの条件は一応の目安であるといってもなるべく実際の労働条件もこれに合わせることができる程度に柔軟な対応をするのが望ましいといえます。

実際の判例でも、求人広告は就職申し込みの誘引なので、採用面接で広告の賃金額を異なる合意があれば「労働者を保護する特別の事情がない限り、その合意に従って賃金額が決定される」とされており、広告の条件と面接で合意した条件が異なることは何ら問題がないとされています。

求人者は、「むやみに、求人票記載の見込み額を著しく下回る額で賃金を確定すべきではない」ということを覚えておく必要があります。

以上、広告と別条件での労働契約についてでした。

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