人事労務情報

競業避止と職業選択の自由について   [2013.02.14]

退職した従業員が前職と同じ商圏・業種でビジネスをした時やライバル会社の役員になった時、企業はダメージを受ける可能性があります。

このような場合、会社は退職者の競業行為を禁止できるのでしょうか。
退職者の競業について企業が制限するときは、以下がポイントとなります。


【1.ノウハウや人脈は誰のものか】
在職中に得たノウハウや人脈は、誰に帰属するのでしょうか。
一般的には、以下のような場合、競業行為を制限されやすくなります。

  • 企業の中核をになう重要なプロジェクトに関わり、その業務に見合う報酬を得ていた場合
  • 会社役員であった場合(その責任の範囲において、機密保持義務があるとされます)

一方、一般の社員については、たとえ競業避止に関する特約があったとしても、競業避止を義務化することは難しいといえます。

ただし、①顧客を大量に奪う②社員を多く引き抜く、などの「背任行為」は、特約による賠償責任のほかにも、「不法行為」による損害賠償責任を負う可能性があります。


【2.競業避止についての特約の意味は何か】
競業避止の特約があったとしても、また就業規則にその旨を記載していたとしても、憲法上の「職業選択の自由」と相反することになります。

このような時は、以下を基準として「特約に合理性はあるか」を考えなくてはいけません。

  • 競業避止の①期間②地域③職種の範囲
  • 「経営者がどのくらい得をするか」と「労働者がどのくらい損をするか」のバランス
  • 「独占の恐れ」と「独占によって一般消費者がどのくらい得をするか」のバランス

一般的には、競業避止の規定や特約は、のちに損害賠償をするためというよりは、「背任的競業をしないように釘を刺す」目的で設ける場合が多いといえます。

競業避止義務違反者に対する退職金の不支給などは、この効果が高いために規定されやすくなります。

企業は、以下についてきちんと考え、競業避止規定を定めておくと安心だと思います。

  • 機密事項の特定
  • 競業行為の定義
  • 違反者へのペナルティ

ただし、あまりにも「管理的な」取り決めは労使トラブルになりやすいので第三者の意見も聞きながら慎重に考える必要があります。


以上、競業避止と職業選択の自由についてでした。

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