人事労務情報

転勤命令について   [2013.03.28]

社員を転勤させる時、会社は一方的に勤務場所を変更できるのでしょうか。

完全に勤務地を限定している場合は、社員の同意がなければ変更はできません。
しかし、そのような特約がなく、就業規則や雇用契約書に転勤の可能性が記してある場合には、常識的な範囲内で転勤命令ができます。

 

【転勤命令ができる条件】
労働契約を結ぶ際には、「就業の場所」や「職務の内容」など重要な労働条件をきちんと説明する必要がありますが、「転勤の可能性があるかどうか」も明示しなければなりません。
この際に、勤務場所を限定していたのであれば、転勤命令は認められないでしょう。

逆に、そのような特約をしていない場合で、長期の雇用を見込んで期間の定めのない契約(※)を結んでいる時は、一定の期間が経過して条件がそろえば、会社は業務命令として社員の職務内容や勤務地を変更する権限を有すると考えられています。※いわゆる正社員としての雇用契約

その条件とは、次のようなことです。

  1. 就業規則、雇用契約書などに、転勤を命じる場合があることを明記していること
  2. 業務上の必要性、合理性があること
  3. 場合によっては前例があること

まずは、
1.就業規則や雇用契約書に転勤の可能性について記載されていることが求められます。
そして2.人員の適正配置や、会社組織編成の変更、組織活性化等の目的で人員を移動する必要性がある、対象者の選定に一定の合理性があることも必要でしょう。
さらに、3.その会社で同じように転勤命令が慣習化されているという状況も場合によっては必要です。

 

【転勤命令が無効になる場合】
これらの条件が整っている場合、原則として社員は特別な事情がない限り転勤命令を拒否することはできません。
ただし、次のような場合にはその転勤命令は無効となることもあるでしょう。

  1. 業務上の必要性もなく転勤を命じる場合
  2. ほかの不当な目的で転勤を命じる場合
  3. 転勤命令が、社員に通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合

会社は転勤の命令権を持ちますが、持病を持つ者や家族の介護をしている者など、私生活上特に配慮が必要な社員に対する転勤命令は慎重に判断する必要があるでしょう。

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