- 磯野 仁 社会保険労務士事務所 ホーム
- 人事労務情報
- 2016年9月
最低賃金改定について [ 2016.09.14 ]
10月から最低賃金が改定され、広島県では、10月1日から時間給750円から793円に改定され、24
円上がりました。(岡山県では、10月から時間給757円に改定されています)
企業にとっては痛いですが・・・、従業員にとっては、朗報ですが・・・。
さて、この最低賃金をクリアしているかのチェックの仕方ですが、先日、企業のかなりベテランの担当者の方が勘違いされていましたので、このチェック法についてお話します。
「最低賃金チェックの計算法」
1)時給の場合:そのまま比べる。
2)日給の場合:1日の所定労働時間で除して、比べる。
この2つはわかりやすいのですが、問題は月給の最低賃金の計算法です。
3)月給の場合:労働局のパンフレットにありますように、
(月給)÷(1か月平均所定労働時間)で比べれば良いのですが、ここでの
’平均’ を忘れて、(その月の所定労働時間)で除して、違法か否かを判断
する間違いをされている場合があるのです。
このように誤解している場合、週44時間制の事業所で、最低賃金の対象となる給与が153,000円の場合:
その月の所定労働時間は、31日の月⇒194時間、30日の月⇒188時間だとして、単純に除すと、
31日の月 153,000円/194時間=789円/時間
30日の月 153,000円/188時間=814円/時間
となり、31日の月は上記の「広島県の平成28年10月からの最低賃金793円」を下回ってしまいます。
これでは、マズイとのことで、
793円/時間×194時間≒153,900円
とされる方が、おられるようです。
正解は、週44時間制の場合の(1か月の平均所定労働時間)は191時間以下ですが、例えば190時間とすると、
31日の月、30日の月などの「月の総日数」に関係なく、
151,100円/190時間=795円/時間
となり、最低賃金をクリアしています。
1か月の平均所定労働時間が190時間なら、例え、実際にある月が最低賃金を下回っても、基本給151,100円は違法ではないのです。
一度、ご確認ください。
「業務委託」とは何か [ 2016.09.01 ]
業務委託とは、書類上、形式的には「取引業者のひとつ」として業務を引き受ける形式ですが、実態としては雇用関係、つまり労働者であるものを言います。なぜ企業が労働者を業務委託と偽るかというと、次の理由が考えられます。
業務委託の特徴
・労働者でないなら、残業代の支払いが不要になる
・労働者でないなら、社会保険加入が不要になる
・労働者でないなら、労災の責任所在をあいまいにできる
・労働者でないなら、労働基準法上の「解雇」という高いハードルを越えなくてもよい
つまり、企業側にとって経済的利益が大きい ことが理由です。
業務委託関係と雇用関係の最大の違いは「発注者が指揮命令をすることができるか否か」です。指揮命令権の有無は具体的には以下の点を参考に判断されます。
1、仕事の依頼に対して引き受けた側が断ることができるか
2、仕事を進める上で本人の裁量の余地が相当程度あるか
3、勤務時間について発注者から拘束されるか
4、本人のかわりに他の者が労務提供することが認められているか(代わりがきくか)
たとえば美容室などでの業務を命じられている美容師の場合、形式的には業務委託契約であっても、①仕事は原則として断れない、②業務遂行について裁量の余地は少ない、③出勤簿などで勤務時間管理を受ける、④労務提供の代替性も認められていないという状況であれば、労働基準法上の労働者と判断される可能性が高いでしょう。
一方で、社会保険料や残業代の負担を想定しなくてすむ分、当人に高い報酬を支払うことができる可能性もありますから、いわゆる「仕事のできる人、あれこれ指示されたくない人」にとっては、業務委託という形式で働くことはメリットもあるかもしれません。
いずれにせよ書類上だけで業務委託契約を整えたことになりません。実際の仕事の命令の方法や業務の管理実態まで注意しなければなりません。
最新記事
月別記事
- 2017年5月 ( 1 )
- 2017年4月 ( 2 )
- 2017年2月 ( 1 )
- 2016年12月 ( 1 )
- 2016年11月 ( 1 )
- 2016年10月 ( 3 )
- 2016年9月 ( 2 )
- 2016年8月 ( 1 )
- 2016年7月 ( 1 )
- 2016年6月 ( 3 )
- 2016年5月 ( 1 )
- 2016年4月 ( 1 )
- 2016年3月 ( 1 )
- 2016年1月 ( 1 )
- 2015年12月 ( 1 )
- 2015年11月 ( 1 )
- 2015年10月 ( 1 )
- 2015年9月 ( 1 )
- 2015年7月 ( 1 )
- 2015年1月 ( 3 )
- 2014年10月 ( 1 )
- 2014年5月 ( 1 )
- 2014年4月 ( 2 )
- 2014年3月 ( 2 )
- 2014年2月 ( 3 )
- 2014年1月 ( 9 )
- 2013年12月 ( 8 )
- 2013年11月 ( 8 )
- 2013年10月 ( 10 )
- 2013年9月 ( 11 )
- 2013年6月 ( 3 )
- 2013年5月 ( 12 )
- 2013年4月 ( 8 )
- 2013年3月 ( 14 )
- 2013年2月 ( 14 )
- 2013年1月 ( 16 )
- 2012年12月 ( 7 )
- 2012年11月 ( 15 )
- 2012年10月 ( 28 )
- 2012年9月 ( 19 )
- 2012年8月 ( 1 )
お気軽にご相談ください
サービス案内
その他サービス
情報コラム
情報コラム新着記事
- 2017.05.27
- アルバイト雇用の注意点
- 2017.04.23
- ユースエール認定制度の認定基準変更について
- 2017.04.16
- 試用期間についての 大きな誤解
- 2017.02.16
- 過労死と会社の責任について
- 2017.01.20
- 平成29年度の厚労省 予算について
事務所案内
- 磯野 仁 社会保険労務士事務所
- 代表:磯野 仁
- 〒723-0144
- 広島県三原市沼田東町末広325-51
- 電話:0848-66-0646
- FAX:0848-66-0646
- 営業時間:平日 9:00~18:00